CM女王綾瀬はるかが なぜ「いだてん」で金栗四三の妻を演じているのか

今年のNHK大河ドラマ「いだてん」の視聴率が悪いと言う。
来年の東京五輪を盛り上げるために、NHKが官邸と巧みに仕組んだ国家的プロパガンダではないのか、そう思っている人も多いだろう。
実際にドラマを見ていない人はそういった先入観を持つかもしれないが、決してそうではない。
五輪を無条件に讃えていないところに、好感がもてる。

先々週の放送は、1916年のベルリン五輪が、世界大戦によって中止になり、選手としてピークにあった金栗四三が落胆ぶりを描いた。
嘉納治五郎のセリフにこういったのがあった。
国家だろうが、戦争だろうが若者の夢を奪う権利は誰にもないんだよ!

80年代にボイコットの応酬に見舞われた五輪を知っている世代からすると、身につまされる言葉だ。
「いだてん」の描くのは「五輪を通して見た日本の近代化の歴史」であり、2度の世界大戦、韓国併合、東西冷戦がドラマの中で、どう描かれていくか今後も楽しみである。

 

IOCの最高位スポンサー契約は「TOPプログラム」と呼ばれ、協賛金額は1社年間約100億円以上といわれている。

商業化路線が推進された1984年ロサンゼルス大会以降、五輪マークの独占的使用権など制度が整備され、企業からの協賛金は、各国・地域の国内オリンピック委員会や五輪組織委員会に分配されている。
日本ではパナソニックが1988年から務めていたが、長い間1社のみが続いていた。
ところが、2013年9月に東京五輪の開催が決まってから、ブリヂストン、トヨタが参入、特にトヨタは2024年までの総額1000億円にも上る大型契約と言われている。
これまでの長いTOPプログラムの歴史の中で、自動車会社の契約は初めてだ。
BMWや日産なども検討していたが、契約に至らなかったほど負担が大きい。
これだけでもIOCにしてみれば「東京を選んで良かった」になる。

一方、コカ・コーラと並んで、長い間五輪を支えてきたマクドナルドが、契約を3年残してTOPから撤退した。
民間企業だから、その理由は様々あるのだろうが、米国のメディアによるとリオ五輪の米国での視聴者は、4年前のロンドン五輪よりもかなり減らしたのが大きいという。
夏季五輪に比してさらに危機的状況にあるのが冬季五輪。
昨年の平昌冬季五輪の視聴率は、その4年前のソチ冬季五輪に比べて7%低くかった。
歴史的に低い視聴率だったと言う。

極東地区で五輪が開催されると、米国の視聴率は低迷する。
平昌冬季五輪でも、フィギュアスケートの決勝が正午をまたいで行われたことは記憶に新しいが、その結果が7%の低下。
多様なエンターテインメントが、ネットを通じて身近にある現在、五輪は近年の消費者の興味の的ではないのかもしれない。

一方、IOCのTOPとは別に、2020年東京五輪・パラリンピックで大会組織委員会は、国内スポンサーとも契約しており、そのスポンサー企業の数と収入は近年開かれた夏季五輪の数倍に上る。(朝日新聞2019年02月19日)

 

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「いだてん」で金栗四三の妻春野スヤを綾瀬はるかが演じている。
綾瀬は、日本を代表する女優であり、CM女王でもある。
週刊誌によると現在10社と契約中。女優としての実績に加えて、ノースキャンダルが支持の高さに反映していると言う。
CM1本あたりの契約金はなんと5500万円で、女優の中で最も高い。
契約している10社の内訳は、

●ワールドワイドオリンピックパートナー(TOP)4社
・SK-Ⅱ P&G(P&Gジャパン)
http://www.sk-ii.jp/ja/index.aspx
・Panasonic
http://panasonic.jp/
・日本コカ・コーラ
http://c.cocacola.co.jp/nihon-tsumugi/
・ブリヂストン
http://www.bridgestone.co.jp/

 

●東京2020オリンピックゴールドパートナー 1社
・日本生命
http://www.nissay.co.jp/

●東京2020オフィシャルパートナー 3社
・全日本空輸
https://www.ana.co.jp/
・キッコーマン
https://www.kikkoman.co.jp/

・その他
・江崎グリコ
http://www.glico.co.jp/ice/giant/index.html
・武田薬品工業
http://benza.jp/index.html
・SEIKO
https://www.seiko-watch.co.jp/lukia/

なんと10社のうちTOP4社を含む、五輪スポンサー絡みが7社を占める。
特にパナソニックは、CM全体が東京五輪モードに入っており、その中心にいるのが綾瀬だ。

 

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Panasonic Japan公式認証済みアカウントより

 

「いだてん」のキャスティングに際して配慮、忖度があったかは判らない。
が、春野スヤを綾瀬はるかが演じているのは、巨大広告会社とNHKによる壮大な五輪プロパガンダになっている。

 

 

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