IOC会長のバッハは何故来日したのか

今週、IOC会長のトーマス・バッハが来日し、東京五輪関係者と会った。
バッハはなぜ、日本に来たのか。

恐らくスポンサー企業の引き留めだろう。

東京五輪に協賛するスポンサー企業は大きく二つに分けられる。

TOP:IOCと直接契約している企業で、世界中で五輪ロゴを使った商業活動ができる。
現在TOPに日本企業は3社がある。
パナソニック(旧松下電器)、トヨタ、ブリヂストン

1988年のソウル五輪からIOCを支えてきたパナソニックはともかく、トヨタとブリヂストンは2013年に東京五輪開催が決まってからTOPの仲間入りをしている。
そして、3社とも契約期間は2024年末までだ。

一方、東京五輪大会組織委員会とスポンサー契約している企業は67社、その総額は4040億円に上る。
こうしたスポンサーは、東京五輪に限っての協賛だから2020年12月末でその契約は切れる。
開催が1年延期になり、スポンサーを続けるかどうか、決定をしなければならない。
欧州だけでなく、日本も第3波が来ており、来年東京五輪が開催できるかどうかは不明。
企業にとっては、スポンサーを継続したいが、来年開催される可能性を知りたいというところだろう。
それで、組織委員会としてはIOCの会長であるバッハ氏に①スポンサーを引き留めるため、②国民世論の中止31%延期28%を沈静化するため、③菅政権の求心力を維持するために、来日してもらったというところだろう。

バッハ氏は、新型コロナのワクチンはIOCが負担すると言ったそうだが、究極なまでに身体を追い込んでいるアスリートが、副作用もはっきりしない、まだできていないワクチンを「はいそうですか」と言って、使うとは思えない。

 

今日(11.21)のTBS系「報道特集」でキャスターの金平茂紀氏がこう言っている。
「冷静に考えてみて、今世界がコロナパンデミックの第3波にあって約5000万人の感染者や120万人を超える死者が出ている中で世界の人々は本当にオリンピックの開催を望んでいるだろうか。政府や組織委員会は目先の狭い範囲で物事を考える傾向が強く、より広い視野が欠けている」

 

*東京五輪 主なスポンサー企業
東京大会で1業種に複数社が契約している。
主な業種と企業区分は大会組織委員会による。
(銀行) 
みずほフィナンシャルグループ、
三井住友フィナンシャルグループ
(航空)
ANA、JAL
(警備)
セコム、綜合警備保障
(新聞)
読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、每日新聞、產経新聞、北海道新聞
(旅行)
KNT-CTホールディングス、JTB、東武トップッアーズ
(鉄道)
東京メトロ、JR東日本
(印刷)
大日本印刷、凸版印刷
(人材サービス)
リクルートホールディングス、バソナグループ
(コーヒー豆など)
日本コカ・コーラ、味の素

 

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July 23, 2020

市川崑監督の『東京オリンピック』を見る

先週、NHK-BSで市川崑監督の『東京オリンピック』1965年(昭和40年)が放送された。
本来であれば、今日が東京五輪開幕であった。
新型コロナの影響で1年延期になったが、中止になる可能性もかなり高いだろう。
東京五輪が昭和39年、この映画の公開は翌年の昭和40年、当時の興行記録を超えたとあるが、2時間50分の超大作である。

この映画は前にも見たことがあったが、開会式の様子からいくつか発見があった。

台湾の存在である。

1964年当時、中華人民共和国はIOCを脱退中で、台湾は正式メンバーだった。
中国は1979年にIOCに復帰するまで、戦後の五輪には参加していない。
一方の台湾が中華台北として五輪に参加するのは1984年の冬季五輪から。
なので、東京五輪は台湾として参加していることになっている。
が、開会式で台湾選手団が入場してくる映像を見ると

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プラカードには TAIWAN
その下に漢字で 中華民国
選手団の旗手は当時の陸上界のスター 楊伝広で掲げた国旗は 青天白日旗

これには少し驚いた。

この時代は、中国と台湾以外にも東西に分裂した国がいくつかあった。

西ドイツと東ドイツ

韓国と北朝鮮

北ベトナムと南ベトナム

だが、それぞれの参加状況は以下のようになる。

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ドイツが東西に分かれていた時代に、統一ドイツ選手団は、1956年のコルティナダンペッツォ冬季五輪から1964年の東京五輪までの6回の五輪で組まれている。
当時、日本は東ドイツと国交はなかった。

そして、もう今はないスポーツ大国ソビエトもアメリカのあとに堂々入場している。
旗手はジャボチンスキーだったはずだ。

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