谷選手に金メダルを授与したのは誰?
Q.五輪二連覇を果たした谷亮子選手に金メダルを授与したのは誰でしょう。
日本人選手が金メダルを獲ると表彰式の様子がテレビで放送される。
ここのところ、日本の金メダルが少なくて表彰式を見る機会も少なかったが、今大会は既に4回も見てしまった。
柔道初日の谷亮子選手の表彰式で、谷に金メダルを授与したのは猪谷千春氏である。
1956年コルチナ・ダンペッツオ冬季五輪で、冬季五輪史上日本に最初のメダルをもたらした人物である。回転の銀メダリストで、アルペンのメダリストは、後にも先にも彼しかいない。
当時、特に北海道の方にとって、日本人がアルペンでメダルを獲ることがいかに衝撃的なことだったか、猪谷さんの名前をもらった方が、現在40から50歳くらいの方にいかに多いかで推し量ることができる。
松山千春氏はその最たるものである。
猪谷千春氏の父猪谷六合雄氏は、自分の全人生を日本のスキー振興に賭けた人物として知られている。
息子・千春氏にスキーの才能があることを見抜くと、徹底的な特訓で、彼を一流のスキーヤーに育て上げていった。ところが、千春氏は成長し、自分が父の操り人形のようにスキーを学ばされたことを悩みだす。米国ダートーマス大学にも留学した彼は、自分とスキーとの関わりを再確認し、五輪メダリストになるのだが、まるで「巨人の星」のスキー版のような話である。
引退後は、外資系生命保険会社の社長も務めるなど、企業人としても成功した方である。IOC委員は大会中多くのメダリストにメダルを授与するだろうが、スキーと柔道が結びつかず、猪谷さんが谷選手にメダルを授与するとは思ってもみなかった。
一方、野村選手に金メダルを授与したのは韓国の李健煕(イ・コンヒ)氏。
この方は、なんとサムスン電子の会長である。サムスンは当ブログでも紹介したIOC TOP企業の1社である。
日本では一部にしか知られていないサムスンの凄さだが、海外に出るとその存在感は大きく、日本企業にとって脅威的でさえある。
野村選手の表彰式で、李健煕氏の隣にいた額の広い方が、国際柔道連盟(IJF) の朴容晟(パク・ヨンソン会長。IOC委員で韓国のOBビールの会長である。
朴氏は、1995年の国際柔道連盟の会長選挙の際に、柔道の創始者嘉納治五郎氏の孫にあたる嘉納行光全日本柔道連盟会長らを破って会長に就任した。
改革派の会長として知られ、カラー柔道着の導入、指導の累積化等のルール改正を推し進めている。
日本人では、岡野俊一郎(東京大学卒)元日本サッカー協会会長もIOC委員に名を連ねている。
IOC委員は、どこでも国賓待遇を受けている。海外旅行をする際には、入国ビザは不要で、空港のVIP室も使用できる。ホテルに宿泊する際には該当国の国旗が掲げられる。総会に参加する際には、中型乗用車と通訳、案内要員が付き、乗用車にはIOC旗を掲げ、身分保障がされている。
先に英国BBC放送が、IOC委員に対する五輪招致買収工作の模様をスクープしたが、こうした厚遇が、IOCの闇の部分を増幅しているといわれている。もちろん、すべてのIOC委員が買収に関与している訳ではない。だが、彼らが自らの権益を簡単に手放すとも思えない。
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