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January 17, 2005

岡崎朋美 3季振り日本新

スピードスケート短距離のワールドカップ(W杯)のカルガリー大会は15日、当地で最終日を行い、女子500㍍は岡崎朋美が37秒73の日本新記録で優勝した。
岡崎は自身が2002年ソルトレイクシティー五輪で出した従来の記録を0秒04更新した。
W杯の優勝は、2000年1月以来通算12勝目(同種目11勝目)

五輪のスピードスケートで日本人女子選手が獲得したメダルは3つあるが、短距離は長野五輪で岡崎朋美が獲った銅メダルが唯一である。
しかし、岡崎のメダルは偶然の産物ではない。岡崎の走りには日本女子スプリントの伝統がはっきり受け継がれていた。

低い姿勢からのスタートダッシュ。一般の人ならそれだけで難しい極限まで腰をかがめた静止状態から、数歩でトップスピードに乗せる技術。コースにひかれた曲線の上を綱渡りのように正確に刻んでいくコーナーワーク。いずれも世
界に胸を張れるテクニックだ。

距離によって専門化した1970年代から、世界に飛び出したのは長屋真紀子だった。
80年レークプラシッド五輪500㍍で5位。

そして橋本聖子が続く。オールラウンダーの名スプリンターは92年アルベールビル五輪で銅メダルをとったのは1500㍍。
短距離では88年カルガリー五輪500㍍の5位が最高だった。
W杯などでは米国のボニー・ブレアらと何度も好勝負を演じながら、本番でメダルをつかむことはできなかった。

橋本らが、ただ一人で世界と戦ったのに比べ、長野五輪当時は島崎京子と岡崎朋美と二人いることが強かった。
世界に通じる二枚看板が競うことで、レベルはさらに上がり、岡崎のメダルは島崎の存在にも支えられたともいえる。

その岡崎も長野五輪のあとは、タイムも低迷。
日本女子全体のレベルが下がる中、ソルトレークシティ五輪では日本選手最高順位の6位に入るも、まさか周囲もその後4年間現役を続けるとは思っていなかった。
が、今回の優勝で、4度目の五輪が視野に入ってきた。

なお、岡崎が4度目の五輪出場を果たすと、(94年、98年、02年、06年)冬季の女子選手としては最高タイとなる。
同じく4回の橋本聖子(現参議院銀議員)は冬季(84年、88年、92年、94年)、夏季(88年、92年、96年)と合計7回の出場を果たしている。

●女子500㍍日本記録の推移
42″94 長屋真紀子 77年 メデオ
41″48 小沢洋美  82年 メデオ
41″30 橋本聖子  84年 浅間
40″80 橋本聖子  85年 伊香保
40″74 橋本聖子  86年 軽井沢
40″35 橋本聖子  86年 メデオ
40″34 橋本聖子  87年 カルガリー
39″74 橋本聖子  88年 カルガリー
39″62 島崎京子  94年 カルガリー
39″47 島崎京子  95年 カルガリー
39″24 岡崎朋美  96年 カルガリー
38″92 岡崎朋美  96年 カルガリー
38″55 岡崎朋美  98年 長野
38″27 岡崎朋美  98年 カルガリー
38″02 岡崎朋美  00年 カルガリー
37″93 大菅小百合 01年 ソルトレーク
37″78 大菅小百合 01年 ソルトレーク
37″77 岡崎朋美  02年 ソルトレーク
37″73 岡崎朋美  05年 カルガリー

●日本記録保持者の五輪での成績
長屋真紀子
76年 43″88 7位
80年 42″70 5位

小沢洋美
84年 43″46 16位

橋本聖子
84年 42″99 11位
88年 39″74 5位
92年 41″32 12位
94年 出場せず

島崎京子
92年 40″98 7位
94年 40″26 10位
98年 1′17″68 5位(長野大会以降2回のレースの合計となる)

岡崎朋美
94年 40″55 14位
98年 1′17″10 3位
02年 1′15″64 6位

大菅小百合
02年 1′16″42 12位

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