平均年齢32.5歳 ロートルジャパン
ドイツのオーベルストドルフで開催中のノルディックスキーの世界選手権第10日、ジャンプ競技の最終種目ジャンプの団体ラージヒル(HS137メートル、K点120メートル)が行われ、日本は1回目422.6点で10位に終わり、20日の団体ノーマルヒル(HS100メートル、K点90メートル)に続き、8カ国で争う2回目に進めなかった。
4人全員が2回とも130メートル以上のジャンプをそろえたオーストリアが1137.3点で、今大会の団体戦2種目とも制した。2位はフィンランド、3位はノルウェー。
日本は1人目の葛西紀明(土屋ホーム)が111.5メートルと低調。岡部孝信(雪印)が120.5メートルを飛んだが、宮平秀治(ミズノ)、東輝(日本空調サービス)はK点を越えず、盛り返せなかった。
日本が団体で9・10位というのは1980年代後半と同様のレベルにある。
来年のトリノ五輪、再来年の札幌世界ノルディックに向けて真っ暗闇状態にある。
この日の日本チームの年齢は岡部33歳、東33歳、葛西32歳、宮平31歳。
平均年齢32.5歳という世界にも例を見ないロートル軍団である。
中学生の頃から将来を嘱望されていた現在W杯ポイント日本人最高の伊東大貴19歳は、不調でLH団体のメンバーから漏れた。
この大会ジャンプ個人(HS100メートル、K点90メートル)に優勝したのは、18歳のロク・ベンコビッチ(スロベニア)。
一方の日本は、第一線で戦える若手が育っていないのである。
長野五輪の栄光から7年。
金メダルの瞬間を見た当時小中学生だった選手が台頭していなければ、将来は暗い。
ソルトレークシティ五輪代表だった山田大起はどうしたのだろう?
親子2代で日本代表になった渡瀬雄太は?(先日国体で優勝したはずだがあんなものではないだろう)
高野鉄平は? 西下和記は?
1988年以降の五輪・世界ノルディックの戦績をまとめてみた。
葛西、東、原田・・・。
驚くことなかれ メンバーがほとんどが変わっていない!
●世界ノルディック
2005年 オーベルストドルフ(ドイツ)
ラージヒル団体
1.オーストリア
2.フィンランド
3.ノルウェー
10.日本 葛西紀明、岡部孝信、宮平秀治、東輝
ノーマルヒル団体
1.オーストリア
2.ドイツ
3.スロベニア
9.日本 伊東大貴、岡部孝信、東輝、葛西紀明
2003年 バルディフィエメ大会(イタリア)ラージヒル団体
1.フィンランド
2.日本 船木, 東, 宮平, 葛西,
3.ノルウェー
2001年 ラハティ大会(フィンランド)
ノーマルヒル団体
1.オーストリア
2.フィンランド
3.ドイツ
4.日本 宮平, 岡部, 葛西, 原田,
ラージヒル団体
1.ドイツ
2.フィンランド
3.オーストリア
4.日本 宮平, 吉岡, 原田,
1999年 ラムソー大会(オーストリア)ラージヒル団体
1.ドイツ
2.日本 葛西,宮平,原田,船木
3.オーストリア
1997年 トロンヘイム大会(ノルウェー)ラージヒル団体
1.フィンランド
2.日本 船木,岡部,原田,斉藤,
3.ドイツ
1995年 サンダーベイ大会(カナダ)ラージヒル団体
1.フィンランド
2.ドイツ
3.日本 安崎,斉藤, 西方,岡部
1993 ファルン大会(スウェーデン)ラージヒル団体
1.ノルウェー
2.チェコ
3.フランス
4.日本 須田,岡部,葛西,原田
1991年 バルディフィエメ大会 (イタリア)ラージヒル団体
1.オーストリア
2.フィンランド
3.ドイツ
11.日本 葛西,東和広,竹内,原田
1989年 ラハティ大会(フィンランド)90メートル級団体
1.フィンランド
2.ノルウェー
3.チェコスロバキア
15.日本 清水,東輝,葛西
●五輪
2002年ソルトレークシティ大会 ラージヒル団体
1.ドイツ
2.フィンランド
3.スロベニア
5.日本 原田,山田,宮平,船木
1998年 長野大会 ラージヒル団体
1.日本 岡部, 斉藤, 原田, 船木,
2.ドイツ
3.オーストリア
1994年リレハンメル大会 ラージヒル団体
1.ドイツ
2.日本 西方,岡部,葛西,原田
3.オーストリア
1992年 アルベールビル大会 ラージヒル団体
1.フィンランド
2.オーストリア
3.チェコスロバキア
4.日本 上原子,原田,葛西,須田
1988年 カルガリー大会 90メートル級団体
1.フィンランド
2.ユーゴスラビア
3.ノルウェー
11.日本 田尾(現全日本コーチ),田中,長岡,佐藤
今大会、中国が団体戦に初めてエントリーしてきた。
ノルディック種目にも力を入れようということなのだろうが、日本の中学生レベルだろうか。
世界選手権に出場するにはあまりにお粗末だった。
日本のスキー人口が激減し、FIS国際スキー連盟は中国でスキー人口の大幅な増加を期待しているという。
長野五輪に15・6歳の少年を出場させた韓国。
7年の経験を経て、だいぶ上手になったとは思うが、一朝一夕で強くならないのがスキー競技の奥の深いところ。
(ユニバーシアードで優勝したりはしているのだが。)
2014年冬季五輪の平昌招致をめざす韓国だが、国際経験の乏しさがネックとなりそうだ。
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