SONYのスポーツマーケティング戦略
サッカーのイングランド・プレミアリーグで50年ぶりのリーグ優勝が目前になっているチェルシーが25日、韓国IT企業のサムスン電子と来季から5年間のスポンサー契約を交わしたと発表した。
契約金の詳細は明らかにされていないが、推定5000万ポンド(約101億円)と報じられている。
来季のユニホームには「SAMSUNG mobile(サムスン・モバイル)」のロゴが入る。
今季、チェルシーのスポンサーであるUAEの航空会社エミレーツ航空は、来季からはアーセナルのスポンサーになることが決まっている。
契約金は驚くなかれ、イングランドサッカー史上最高の1億ポンド(約200億円.サムスンの2倍だ!)。
さらに3億5700万ポンド(約714億円)をかけて建設中の新競技場を「エミレーツ・スタジアム」とする命名権も決まっている。
エミレーツ航空がFIFAやW杯予選のスポンサー契約をしていることは先にも書いたが、こういう話も伝わって来ている。
ソニーがFIFAと最高位のスポンサー契約を結んだ。
国際サッカー連盟(FIFA)と総額330億円で2007年から8年間の大型契約である。
2010年のワールドカップ南アフリカ大会などで「SONY」ロゴを使用でき、 ブランドを世界的に強化する。
2007年からの契約であるので2006年ドイツ大会は含まれていない。
FIFAが業界ごとに選ぶ最高位のスポンサー「FIFAパートナー」6社のうち、「デジタルライフ」 ジャンルの企業である。
FIFA各大会のパートナーロゴや、競技場の広告ボード、試合放送中の得点表示の背景に企業ロゴを表示できる「オンスクリーンID」などの権利を行使できる。
FIFAによると「スポーツ界のスポンサー契約としては史上最大級」で、2010年と南米で開催予定の2014年のW杯などFIFA主催大会にデジタル機器なども提供する。
この8年間のスポンサー契約は、アディダス、現代自動車に続いて3社目となる。
松下電器といえば五輪の代表的なスポンサーであることは世界規模で認知されている。
一方のソニーはこれまで、スポーツイベントのスポンサーの実績はあまりない。
ゴルフのPGA開幕戦ソニーオープン・イン・ハワイと今日準決勝が行われたUEFAチャンピオンズリーグに「PlayStation2」として協賛しているのが目立つ程度だった。
今回の締結により、ソニーグループ全体がFIFAのライセンスを有することになる。W杯の試合映像のコンテンツや広告だけでなく、もちろんゲーム分野でのFIFA主催サッカー大会のゲーム化なども視野に入れられているだろう。PS2やPSP、そしてPS3と噂される次世代家庭用ゲーム機で公式のW杯が楽しめることになることが考えられる。
ソニーの2005年3月期のエレクトロニクス事業は、デジタル家電の価格下落などから343億円の赤字だった。
米国の音楽・映画部門を大胆なコスト削減策で回復させた実績があるハワード・ストリンガー氏が会長兼グループCEOとして6月に就任する人事を発表している。
ソニー神話は昔の話。外国人トップ、W杯スポンサーと今が正念場のようだ。
音響部門のW杯スポンサーといえば古くから松下電器の子会社である日本ビクター(JVC)が長く務め、松下グループの中で五輪・W杯の両方を押さえていた。
2002~06年は東芝、フィリップスは1986年~06年に務めている。
●主なFIFAのスポンサー企業 2010年以降は未定の企業が多い。
ソニー (2010年~)
現代自動車 (2002~2010年)
アディダス (1998年~2010年)
富士フィルム (1982年~2006年)
ジレット (1982年~2006年)
コカコーラ (1982年~2006年)
フィリップス (1986年~2006年)
マスターカード (1994年~2006年)
マクドナルド (1994年~2006年)
Yahoo (2002年~2006年)
東芝 (2002~2006年)
エミレーツ航空 (2006年)
日本ビクター (1982年~2002年)
富士ゼロックス (2002年)
NTT (2002年)
キャノン (1982年~1998年)
セイコー (1982年~1986年)
太字は日本企業
参考リンク
松下電器のオリンピック戦略
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