厚い厚い50秒の壁
少し古い話だが、去る7月の世界水泳の男子4×100mメドレーリレー決勝で、日本は、3:35.40のタイムで3位に入り銅メダルを獲得した。日本は、03年のバルセロナ大会、アテネ五輪に続いて世界大会3大会連続のメダル獲得となった。
陸上の4×100リレーが世界陸上で8位に終わった一方、競泳男子のメドレーリレーの3位は賞賛に値する。
1位 アメリカ 3:31.85
2位 ロシア 3:35.08
3位 日本(森田智己、北島康介、高安亮、細川大輔) 3:35.40
しかも2位のロシアとは僅差であり、自由形がもう少し世界レベルに近づけば、銀メダルも手の届くところにあった。
アンカー自由形を泳いだ細川大輔も187センチもあるのだが、世界の自由形の選手は2m級の体格を誇る。(モントリオールには来なかったが、)イアン・ソープ195センチ、アレキサンドル・ポポフ200センチ。
バレーボールの選手が自由形を泳いでいるようなものだ。
世界水泳の開催されたモントリオールは、1976年の五輪開催地で、ジム・モンゴメリーによる100m自由形人類初の49秒台(49秒99)が生まれたところだった。
あれから29年、日本人初の49秒台を期待した関係者も多かったことだろう。
100m自由形予選13組
(2)佐藤久佳50秒23=落選
同14組
(3)細川大輔50秒07=日本新、落選
結果、100m自由形に出場した2人はともに予選落ちに終わった。
細川は日本新を出すも、49秒台まで7/100秒差に迫りながら破れなかった。
日本新をマークした満足感よりも、50秒の壁を突き破れなかった悔しさが募った。
メドレーリレーではアンカーの銅メダリストであっても、個人種目では世界との差はまだ大きい。
いい記録が出そうな感触はレース中からあったそうだ。しかし、最後の10m。フィニッシュを急ぐあまり、焦りが出て、50秒の壁は破れなかった。
●男子100m自由形日本記録の変遷
51秒56 藤原勝教(近大付高)86年9月 アジア大会 ソウル
51秒37 中野勉 (東京SC)91年8月 パンパシフィック選手権 エドモントン
50秒98 松下幸広(中大) 94年6月 日本選手権 東京
50秒93 伊藤俊介(中大) 98年1月 世界選手権 パース
50秒68 伊藤俊介(中大) 98年9月 インカレ 東京
50秒45 伊藤俊介(富山財団)99年6月 日本選手権 東京
50秒41 名倉直希(法大) 02年6月 日本選手権 東京
50秒32 明部洋明(早大) 02年6月 日本選手権 東京
50秒24 奥村幸大(近大) 04年8月 五輪 アテネ
50秒13 細川大輔(中大) 04年9月 インカレ 相模原
50秒07 細川大輔(SAT) 05年7月 世界選手権 モントリオール
メドレーリレーのアンカーでの細川のタイムは48秒台。
もちろんリレーだから早くなる。
50秒をやぶる実力は十分ある23歳だ。
●参考リンク
そろそろ限界 自由形100m
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Comments
2005年9月、とうとう日本人が49秒台で泳ぎました。
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20050902&a=20050902-00000111-kyodo-spo
Posted by: HA.K | September 02, 2005 06:47 PM