1999年福岡アジアバスケット 五輪の夢またも・・・
現在カタールのドーハでABC=バスケットボールの男子アジア選手権が開催されている。
この大会は、2006年にさいたま市を中心に開催される世界バスケットボール選手権のアジア予選を兼ねている。開催国として既に世界バスケットの出場権を持つ日本だが、果たして現在のアジアの中での順位はいかなるものだろうか。
9月12日 2次ラウンドグループⅡ1戦目
中国代表 86-53 日本代表
第23回アジアバスケットボール選手権大会
▼中国に戦後勝ち星なし
男子バスケットのアジアの覇者はもちろん中国。ヒューストンロケッツの姚明(ヤオミン)を擁し、アテネ五輪でも8位に入った。
昨日、この中国に敗れたのだが、実は中国に公式戦で勝ったのは1936年のベルリン五輪1回戦日本35-19中国が最後。以降なんと69年間未勝利が続いている。
日本男子が最後に五輪出場したのは1976年のモントリオール大会。
当時明治大学の201センチ北原憲彦、松下電器の205センチ沼田宏文がいたものの、試合は1勝もできず、アフリカ代表で出場していたエジプトが、アフリカ諸国のボイコットに伴い帰国したため12か国中11位になった。
このときの予選を兼ねたABCは75年にタイのバンコクで開催された。優勝は中国、日本は2位であったものの中国はまだIOCに復帰以前で、日本に五輪出場権が転がり込んできている。
▼31年ぶりの世界選手権
以後、女子も含めて日本バスケットは長い長い低迷期に入る。
女子は1996年のアトランタ五輪に20年ぶりに出場し7位入賞。史上初めて女子バレーの順位を上回るという快挙?を達成する。
一方男子、1995年福岡市で開催されたユニバーシアード。
日本男子は強豪クロアチア、カナダに競り勝って準決勝へと駒を進めた。さらに長谷川誠の獅子奮迅の働きで決勝に進出。決勝でアメリカに大敗したものの、日本の男子バスケット史上初めてとなる世界大会での銀メダルを獲得した。
さらに1997年9月18日 サウジアラビアのリヤドで開催されていた男子アジア選手権準決勝、日本は最多の26点を挙げた折茂武彦の活躍で地元サウジアラビアを108-92(前半51-43)で下し、翌年の第13回世界選手権の出場権を獲得した。
しかし、決勝では1ゴール差で韓国に敗れ、26年ぶり3度目のアジア制覇はならなかった。
それでも、ギリシアで開催された第13回男子世界選手権では14位に終わったが、24年ぶりの五輪出場に着実に進んでいるかに見えた。
▼五輪の夢またも・・・
2000年のシドニー五輪。そのアジア予選となるのが、1999年に福岡市で開催された第20回男子アジアバスケットボール選手権だった。しかし、アジアからのシドニー五輪への切符は、たった1枚。
日本は、5月から国内合宿、ヨーロッパ遠征に加えて、ロシア、フランス、アメリカ大学選抜チームとの国際ゲームを強化の一環としてこなし、小浜元孝監督をして「このチームが中国に勝てなければ、日本は未来永劫勝てない」と言わしめた。
216センチの山崎昭史、ポイントガードガードに佐古賢一と長谷川誠、チームの得点源折茂武彦、アメリカ育ちの高橋マイケル、さらには日本に帰化したワイス団などまれに見る好選手が揃っていた。
が、大会直前に大黒柱の山崎が骨折、前途に暗雲が立ち込めていく。
1次リーグの日本はそれでも3連勝。そして2次リーグの第2戦の韓国戦を迎えた。
日本は後半、主導権を握り、一時は9点をリードした。しかし、韓国は失点を抑える一方で、3点シュートを立て続けに決め、残り1分を切って逆転。日本も佐古賢一の3点シュートで再逆転したものの、終了間際に再び引っくり返され逆転負けを喫す。
その翌日日本は、台湾と対戦。韓国戦の敗戦のショックをひきずって出足が鈍く、一時13点差まで離された。だが、前半終了5分前から高橋マイケルの速攻がさえるなどして12点連取し逆転。後半は一進一退のしのぎ合いから得点を重ねて、残り6分までは5点リードしたが、残り5分を切って台湾のエース鄭志竜に7点連取を許して突き放され、68-77と完敗した。
中国と戦う前に韓国・台湾に連敗し24年ぶりの五輪出場の夢はついえた。
敗因は何といっても選手層の薄さだ。
骨折で満足に動けないセンター山崎を控えの古田がカバーできなかったこと。これではゴール下の得点が望めない。
そして、学生のレベルの低迷。
モントリオール五輪の当時、北原憲彦はまだ明大生。当時は学生のレベルが高く、3人が代表に入っていた。
▼18歳の姚明
このアジア選手権を勝ち抜いてシドニー五輪出場にしたのはやはり中国。
この年のNBAドラフトで、ダラス・マーベリックスに指名された王治障(ワン・ジジ214cm)、そしてこのとき18歳ながら、王治障とのツインタワーで中国のゴール下を固めていたのは223cm(当時)の姚明(ヤオ・ミン)だったのである。
●参考リンク
田臥快挙の一方、U20日本はアジア13位
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