鈴木桂治3階級制覇 世界柔道
アテネ五輪柔道100キロ超級金メダルの鈴木桂治は、今日のカイロでの世界柔道100キロ級で金メダルを獲得し、03年の大阪世界柔道の無差別級金メダルと合わせて、史上初の世界大会3階級制覇を成し遂げた。
これとは別に、五輪、世界選手権、全日本選手権の3つの柔道のタイトルを3冠と呼んでいる。
鈴木は04・05年の全日本選手権も制しており数少ない3冠達成者だ。
全日本選手権に挑めるのは日本人のみだから、この言い方は世界的ではない。
だが、東京五輪で柔道が五輪の正式種目となって以来40余年。3冠を獲得した選手は僅かしかいない。
例えば、小川直也は、全日本選手権は山下泰裕に次ぐ7回の優勝。世界選手権は明大1年の19歳で史上最年少で優勝して以来4回優勝。ところが、全盛期で迎えた1992年バルセロナ五輪95キロ超(当時)決勝でグルジアのハハレイシビリに敗れ銀メダル。96年アトランタ五輪では5位に終わっている。(金メダルはドイエ)。特にハハレイシビリとの一戦は内またと小外掛けの合わせ技に敗れた。
準決勝まで全く順調にきていただけに、あの小川の憮然とした顔は忘れられない。
1999年の世界選手権で100キロ超級と無差別級の2冠を果たした篠原信一は、00年シドニー五輪決勝でドイエに誤審とも思われる敗れ方をして銀メダルに終わったことは記憶に新しい。
井上康生はアテネ五輪では、メダルなしに終わったものの、シドニー五輪100キロ級金メダル。
世界選手権も同級で99、01、03と3連覇。さらに、全日本選手権は、01年から3連覇を果たした。
五輪は4年に1回、世界選手権は2年に1回、全日本選手権は毎年開催される。やはり、4年に1回の五輪で金メダルを獲得することは難しい。特に1988年のソウル五輪以降無差別級の廃止以降、最重量級の選手が1人しか出場できなくなり、さらに五輪で勝つことを難しくしている。
一方、全日本選手権は、体重無差別で行われているため、最重量級以外の選手の優勝は極めて少ない。
井上康生は数少ないその例であるが、ともにバルセロナ五輪金メダルの古賀稔彦、吉田秀彦が過去に準優勝したことがある。
●1977年以降の全日本選手権優勝者
山下泰裕9回(77年~85年)
小川直也7回(89年~93年・95・96年)
篠原信一3回(98年~00年)
井上康生3回(01~03年)
正木嘉美2回(86・87年)
金野潤 2回(94・97年)
鈴木桂治2回(04・05年)
斎藤仁 1回(88年)
●世界選手権での成績
小川直也
87年(エッセン) 無差別金
89年(ベオグラード)95キロ超金
91年(バルセロナ) 95キロ超銅 無差別金
93年(ハミルトン)無差別銅
95年(幕張) 95キロ超銅
篠原信一
95年(幕張)無差別銅
97年(パリ)無差別銀
99年(バーミンガム)100キロ超金 無差別金
01年(ミュンヘン)100キロ超銅
井上康生
99年(バーミンガム)100キロ金
01年(ミュンヘン)100キロ金
03年(大阪)100キロ金
鈴木桂治
03年(大阪)無差別級金
05年(カイロ)100キロ金
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Comments
小川はハハレイシビリに合技一本で負けたはず。
気の毒どころか文句なしの技有二発を喰らったと記憶
しております。
それはともかく鈴木選手おめでとうございます。
Posted by: こま | September 09, 2005 02:03 AM
こま様
おっしゃるとおりです。
勘違いしていました。小川の一本負けですが、内またと小外掛けの合わせ技で敗れたんでしたね。
ご指摘感謝します。
Posted by: 管理人 | September 09, 2005 09:58 AM