世界柔道選手権 今日カイロで開幕
柔道が五輪の正式種目として始めて行なわれたのは、1964年の東京五輪。
40年余を経てその規模は随分と大きくなった。
東京五輪で行なわれた柔道は男子のみの4階級。軽量級(68キロ以下)、中量級(80キロ以下)重量級(80キロ以下)、無差別級の4階級である。
東京五輪以前にも世界柔道選手権は3回開催されたが、いずれも体重による階級分けは無く、全日本柔道選手権のように優勝者はひとりしかいない。
1961年、パリの世界選手権の優勝者はオランダのアントン・ヘーシンク。
3年後の東京五輪でもヘーシンクには敵わないと関係者は感じていたようだ。
当初、柔道は東京五輪のみに実施される予定であり、68年のメキシコ五輪では実施されなかった。が、72年のミュンヘン五輪では6階級に増やされ、復活している。
84年のロサンゼルス大会で8階級になり、88年のソウル五輪から無差別級が廃止される一方、女子柔道が公開競技として行なわれている。
そして92年バルセロナ五輪、女子柔道も正式競技に加えられた。
選手の体格の向上に合わせて、2000年シドニー五輪以降、男女とも7階級は変わらずに、体重の上限が大きくなっている。
現在、総合格闘技で活躍する吉田秀彦は、金メダルを獲得したバルセロナ五輪では78㌔級、5位に終わったアトランタ五輪では86㌔級、敗者復活棄権のシドニー五輪では90㌔と3階級に渡って五輪に出場し、現役最後は100㌔級まで出場した珍しい選手である。
また、女子でもアトランタ五輪決勝で田村亮子を破って有名になった北朝鮮のケースンヒは、アトランタ五輪48㌔級、シドニー五輪52㌔級(銅)、アテネ五輪には57㌔級で銀メダルを獲った。
●東京五輪以降の柔道実施階級と日本人選手の獲得したメダル
(男子)
×はメダル獲れず 不は不参加を表す。
1964年
80㌔+金 80㌔金 68㌔金 無差別級銀
1968年
柔道競技未実施
1972年
93㌔+銅 93㌔× 80㌔金 70㌔金 63㌔金 無差別級×
1976年
93㌔+銅 93㌔金 80㌔金 70㌔銀 63㌔× 無差別級金
1980年
95㌔+ 95㌔ 86㌔ 78㌔ 71㌔ 65㌔ 60㌔ 無差別級 不参加
1984年
95+㌔金 95㌔× 86㌔銅 78㌔× 71㌔× 65㌔金 60㌔金 無差別級金
1988年
95+㌔金 95㌔× 86㌔銅 78㌔× 71㌔× 65㌔銅 60㌔銅
1992年
95㌔+銀 95㌔× 86㌔銅 78㌔金 71㌔金 65㌔× 60㌔銅
1996年
95㌔+× 95㌔× 86㌔× 78㌔銀 71㌔金 65㌔銀 60㌔金
2000年
100㌔+銀 100㌔金 90㌔× 81㌔金 73㌔× 66㌔× 60㌔金
2004年
100㌔+金 100㌔× 90㌔銀 81㌔× 73㌔× 66㌔金 60㌔金
(女子)
1992年
72㌔+銅 72㌔銀 66㌔× 61㌔× 56㌔銅 52㌔銀 48㌔銀
1996年
72㌔+× 72㌔銀 66㌔× 61㌔金 56㌔× 52㌔銅 48㌔銀
2000年
78㌔+銅 78㌔× 70㌔× 63㌔× 57㌔銅 52㌔銀 48㌔金
2004年
78㌔+金 78㌔金 70㌔金 63㌔金 57㌔× 52㌔銀 48㌔金
現在、世界柔道選手権は五輪の前年と後年に2年おきに行なわれている。
世界選手権では五輪で廃止になった無差別級も男女とも実施されている。
五輪の前年に行なわれた世界選手権での優勝者は、研究されすぎるため、五輪本番では勝てないとも言われている。
99年バーミンガムの世界柔道。日本の篠原信一は、無差別級と100㌔超級の2階級で金メダルを獲得した。
そのとき、フランスのドイエは怪我で大会を欠場し、シドニー五輪本番もぎりぎりまで出場を明言していなかった。
●オリンピックと世界柔道選手権の日本選手の獲得メダル数
(男子)
年 大会 金銀銅 開催地
2005世界 カイロ
2004五輪 3 1 0
2003世界 3 0 1 大阪
2001世界 1 1 2 ミュンヘン
2000五輪 3 0 1
1999世界 4 1 0 バーミンガム
1997世界 2 2 1 パリ
1996五輪 2 2 0
1995世界 2 2 4 幕張
1993世界 3 1 2 ハミルトン
1992五輪 2 1 2
1991世界 4 1 2 バルセロナ
1989世界 3 2 0 ベオグラード
1988五輪 1 0 3
1987世界 4 1 2 エッセン
1985世界 4 1 1 ソウル
1984五輪 4 0 1
(女子)世界柔道の89年以降の開催都市は男子と同じ
2005世界
2004五輪 5 1 0
2003世界 3 1 1
2001世界 3 1 2
2000五輪 1 1 2
1999世界 4 1 1
1997世界 2 1 2
1996五輪 1 2 1
1995世界 1 0 1
1993世界 1 1 2
1992五輪 0 3 2
1991世界 0 1 3
1989世界 0 3 2
1986世界 0 2 1 マーストリヒト
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Comments
柔道は、ひき手とつり手、くずしが最も重要!鈴木桂治選手は、それを同時に行い、素早い動きで足を(小内刈り)かけている!画面上からは全く、それが見えない!凄い!
Posted by: 柔道ファン | September 10, 2005 06:37 PM