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September 05, 2005

双子選手の謎

ボートの世界選手権第6日は3日、岐阜県海津市の長良川国際レガッタコース(2000メートル)で男女12種目の決勝などを行い、女子ダブルスカル決勝でアテネ五輪金メダリストで双子のエバーズ姉妹(NZ)が優勝した。
エバーズ姉妹は2002年、2003年、アテネ五輪に続いて4年連続で世界の頂点についた。NZは約20年前から急速に力を付け、ヨーロッパ中心のボート界の画期的な存在となっている。

スポーツ界には古今東西双子がいる。荻原兄弟、大南姉妹、宗兄弟、ベログラゾフ兄弟*、ハム兄弟**・・・。
思いつくだけでも何組も名前が挙がる。
王貞治監督も実は双子って知ってる?
確かなデータがある訳ではないが、ひょっとしたら一流選手の輩出は双子の方が高いかもしれない。

今回紹介するメーア兄弟は双子で五輪の金・銀メダルを独占した稀有の兄弟選手だ。
フィルとスティーブの双子のメーア兄弟はアメリカが生んだスキー界最大のスターだった。
若い頃から揃って頭髪が薄く、欧州人が大多数のアルペン界でも目立った存在だった。

MahreSarajevo12人は1957年5月10日,ワシントン州の寒村ヤキマに生まれた。父親がスキー教師をしていたため、スキーの手ほどきは当然父親から受けたという。
技術系のスキーヤーのイメージだが、滑降にも出場してコンビのポイントを稼ぐことの出来るオールラウンド・レーサーでもあった。
 
彼らと同時期にW杯で通算83勝したスウェーデン人のインゲマル・ステンマルクがいたことは不運でもあったが、幸運でもあった。
1980年のレークプラシッド五輪で金メダルを獲得後、ステンマルクは当時あったB級ライセンスというプロ選手に転向した。W杯は出場可能だったが、五輪からは閉ざされた。
もう一人スキー界のスーパースター、オーストリア人のマーク・ジラルデリはルクセンブルグから大会に出るジプシー選手で、やはり五輪出場資格を失っていた。

80年のレークプラシッド五輪の回転でフィル・メーアがステンマルクに次いで銀メダルを獲得。
さらに81~83年までフィル・メーアは連続3年間W杯総合Vを果たしたが、五輪の金メダルは手にしていなかった。

1983~84年のシーズンはメーア兄弟にとって最後のシーズンになった。
サラエボ五輪を控えてこのシーズンは出だしから二人の調子はあまり良くなかった。
ステンマルクとジラルデリが快調に飛ばす中、メーア兄弟は「スキーだけが人生ではない」という捨て台詞を残して12月半ばで米国に帰ってしまった。

年が明けて1月のW杯の回転ではスティーブ・メーアが優勝したにもかかわらず、前代未聞のゼッケン取り違え事件で失格。メーア兄弟は完全に死んだ、とだれもが思っていた。

五輪までに7戦あった回転のうち、ステンマルクが3勝、ジラルデリが3勝していたが、前述のように五輪はこの二人を除いて行われるのである。その上有力なメダル候補だったメーア兄弟が不調ならば、誰にでも勝つチャンスがあるとばかり、すべての選手が色めき立ったのも無理はない。

しかしサラエボ五輪では、フィル・メーアが金、スティーブ・メーアが銀メダルを獲得した。
12月にW杯を捨てて国に帰ったのは、テクニックの再点検のためで、彼らは2週間に渡るプライベートキャンプを構えて体調を整えていた。
全てはオリンピックの金メダルへの執念がなせる技であったといわれている。

●五輪男子回転
1980年レークプラシッド五輪
1.インゲマル・ステンマルク(スウェーデン)
2.フィル・メーア(アメリカ)
3.V・Luethy(スイス)

1984年サラエボ五輪
1.フィル・メーア(アメリカ)
2.スティーブ・メーア(アメリカ)
3.D・Bouvet(フランス)

*ベログラゾフ兄弟(ソ連→ロシア)
レスリングフリースタイル-57キロ級モスクワ五輪金メダルのセルゲイ・ベログラゾフ と 同じく-52キロ級のアナトリー・ベログラゾフ。  
日本の高田祐司と冨山英明と階級・年代ともに一致していて、日ソ間のいいライバルだった。ソ連崩壊後はいろいろな国でレスリングのコーチをして、日本にも来た。

**ハム兄弟(アメリカ)
アテネ五輪体操個人総合の優勝者がポール・ハム。審判の誤審があり、本来なら梁泰栄(韓国)が金メダルではないかともめた。アメリカ人の金メダルは100年ぶり。そして団体のメンバーの中に双子の弟モーガン・ハムがいた。

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