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September 15, 2005

ジャンプW杯選手を公募 あなたも出てみたら

復活をかけるスキーの日本ジャンプチームが、トリノ五輪代表選考試合を兼ねた今冬のワールドカップ(W杯)の出場選手を「公募」することになった。10月15、16日の2日間、全日本の指定選手以外にも門戸を開いた選考会を長野・白馬で開く。これまでの実績主義を覆す初めての試みで、中学生以上のすべての選手にチャンスを与えては、との声も出ている。
(中略)
フィンランド人のユリアンティラ新ヘッドコーチは「チームを強くするには現在、一番力のある選手を選ぶことが大切」。若手からベテランまで分け隔てなくチャンスを与え、競争を促そうと提案している。
(中略)
日本ジャンプ陣は90年代に五輪や世界選手権で17個のメダルを量産したが、近年は世代交代が進まず不振にあえいでいる。エースの葛西紀明(土屋ホーム)は「選考会はいいアイデア。そこで負けるようでは世界には通用しない」と話す。
2005年09月12日20時51分 asahi.com

非常に面白い試みだ。
球技ではトライアウトと呼び、たびたび行われている。
かつて、バレーボール男子の全日本選手のトライアウトを追ったドキュメンタリーを見たことがある。ベテラン選手に混じって無名の高校生も挑んでいた。

ただし、今回の試みが珍しいのは競技がジャンプであることだ。
日本のジャンプの競技人口は1000人くらいであると思っていた。
かつて見ていたNHKの中継の中でアナウンサーが述べていたのだが、
「コラム雪見酒」さんの競技者人口の実体!? [2004年11月28日] というページに次のようにある。

SAJ競技者登録ポイント取得者
(2004年8月10日現在の男女合計人数)(SAJポイントリスト参照 高校生以上)

アルペンスキー  3815人
マスターズ  946人
モーグル  776人
ジャンプ  287人
クロスカントリー  1778人

これはあくまでポイント取得者なので、全競技者ではありません。
ポイント取得者とは、それぞれの種目の全競技者の90%くらいであるらしい。

とあった。とするとジャンプの競技人口は320人くらいだろうか。
ちなみにサッカーの競技人口は3,322,388人(2003年)というからちょうど10000倍にあたる。
そうだよな。高校時代にジャンプやっていましたって人、周りにいないからね。
おそらく、SAJの幹部はジャンプをしている選手のほぼ全選手を知っているはずだ。

大活躍した長野五輪以降も、ジャンプだけでなくスキーの競技人口は減る一方らしい。
その中で今までは、葛西紀明や船木和喜のような天才が出現するのを待っていた、というのが日本の状況。
ヨーロッパのジャンプ界を比べたときに環境の相違が著しい。
例えばオーストリアなどでは、ナショナルチームBチームであっても、国から報酬が支給されている。その上、選手は定職を持っていないのも同然で、すべて国が面倒を見てくれている。
旧ソ連のようなステートアマだ。
一方、日本では企業チーム間の競争によってこのレベルを維持しているのが現状であり、良くも悪くも日本のジャンプは企業によって支えられてようやくここまできた。
でも、長野以降だけでもなくなったチームは たくぎん、ニッカ、地崎工業、マイカル・・・。

ユリアンティラ氏をコーチに招いただけでも大英断であるのに、今回の公募、ベテラン選手に少しでも刺激になってくれれば。

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