北京マラソン優勝の孫英傑(中国)、翌日1万mでドーピング発覚
中国国営新華社通信によると、江蘇省南京市で開催されている第10回中国全国運動会女子10000mで2位に入った孫英傑(26)のドーピング(禁止薬物使用)が発覚し、銀メダルがはく奪された模様だ。
16日の北京国際マラソンで3連覇し、現在でも世界歴代4位の2時間19分39秒の記録を持つ、元女子マラソンアジア記録保持者として知られる孫英傑は、なんと北京マラソンの翌17日行われた中国全国運動会10000mレース後のドーピング検査で筋肉増強作用を持つテストステロンに陽性反応を示した。
08年北京五輪で金メダルを期待されるトップ選手だけに、その薬物違反は中国陸上界にとって大きな打撃になるとともに、今後に波紋を広げることは必至だ。
孫は16日には北京国際マラソンに出場し、2時間21分1秒で3連覇を達成。この際の検査は陰性で、レース結果は有効となった。
アテネ五輪女子10000mでエチオピア勢を抑えて、この種目にアジア初めて制した邪慧娜と6位孫英傑の一騎打ちになった全国運動会10000m。
邪慧娜が31分00秒73で優勝。孫英傑は31分03秒09で2位に終わった。
北京国際マラソンの翌日、孫英傑を快走と讃える声もあった中、テストステロン陽性が大会本部から発表され、この大会他種目への出場は認められず、22日の5000mでの邪慧娜との再戦は幻に終わった。
全国運動会のドーピングテストはすべて北京のIOC公認の研究所で行なわれている。またその結果は、薬物ドーピングコントロール規則に従って48時間以内に報告されることになっている。
孫を指導する王コーチは、「孫ははめられた」と話している。
10000mの競技開始前、ウォーミングアップをしていた孫はファンにサインを求められ、その際に手渡された水を飲んだという。「これがわれわれにとって不注意だった」と。
中国を代表するような選手が、不注意にもレース直前に未確認の飲料を口にするなどということがあるだろうか。王コーチの話には疑問が残る。
尿検査はサンプルをA・B二つとり、陽性反応が出た際にはサンプルBを用いて、再検査することになっている。が、孫英傑の再調査の日程はまだ公表されていない。
新華社によれば孫英傑は、北京マラソンの翌日に10000mを走っているのだが、連日のレースとは常識的に考えられない。また、欧米系のメディアが、この件をふれていないところも気になるところだ。
●2004年アテネ五輪・女子10000mの結果
1.邪慧娜 中国 30分24秒36
2.Dibaba Ejegayehu エチオピア 30分24秒98
3.Tulu Derartu エチオピア 30分26秒42
4.Kidane Werknesh エチオピア 30分28秒30
5.Kiplagat Lornah オランダ 30分31秒92
6.孫英傑 中国30分54秒31
The comments to this entry are closed.
Comments