« グレツキー監督 砂漠のフェニックスでデビュー | Main | 3つの国の代表で3回オリンピックに出た選手もいる »

October 05, 2005

アポロ・アントン・オーノ ついに韓国に行く

ソルトレークシティ五輪ショートトラック1500m金メダリストのアポロ・アントン・オーノが7日に木洞室内リンクで開幕する05-06国際スケート連盟(ISU)ショートトラックW杯第2戦に出場するため3日、韓国入りした。 仁川空港には200人余の取材陣が集まった。ショートトラックへの関心が高いからか。それともオーノだからか?
アポロ・アントン・オーノはワシントン州シアトル出身。日本人の父親を持つ日系人だ。

kim▼02年ソルトレークシティー五輪
ショートトラック男子1500メートル決勝で、終盤まで5位をキープしていたオーノは、残り3周の時点で、巧みなコーナーワークから一気に2位に浮上先頭を走っていた韓国の金東聖をずっと追い越そうとしていた。 しかし金東聖の老練なスケーティングで進路がふさがれた。 オーノは両手を広げながら驚くような動作で審判の注意を引いた。 その結果、1位でゴールインした金東聖の反則が宣言され、金メダルはオーノのものとなった。優勝を確信した金東聖は国旗を手にしてウイニングランを始めていたが、呆然、国旗を落とした。
韓国側は、金メダルを獲得したアポロ・アントン・オーノが、レース中に進路妨害を訴える「奇抜で意図的なジェスチャー」をしたことでミスジャッジがあったと指摘。結果の変更と金東聖への金メダルの授与を求めたが、棄却された。

▼反米感情 反オーノ
「オーノの首に金メダル」という新ことわざが韓国で流行の兆しをみせた。アポロ・アントン・オーノが由来で、「まったく似合わない」という意味。ほかにも「オーノのよう」-正々堂々としていない。「オーノに遭う」-計略に巻き込まれて失敗する-など、極めて辛らつだに使われた。
金東聖の失格直後に、米NBCテレビ「トゥナイトショー」で司会者が「(金東聖が)怒って犬をけ飛ばし食べたかも」と発言し、韓国内での反米感情は高まるばかりだった。
オーノが日系人であることがこの騒動に拍車をかけたと見るのは、言い過ぎだろうか。
2002FIFA W杯で韓国が米国と対戦した試合でも、試合中に韓国選手は金とオーノとのやり取りを真似するというパフォーマンスも見せた。

冷静に見て、確かにオーノはオーバーアクションだったろう。が、判断を誤ったのは審判だ。また、冷静な判断ができない状況を作り出した五輪全体の雰囲気にも問題があった。~アメリカで五輪開催となるといつもこうなる。だから私はアメリカ開催の五輪が好きではない。

▼金東聖引退
金東聖はソルトレークシティ五輪直後のショートトラックの世界選手権で4種目完全優勝を果たし、その実力を存分に見せ付けたあと、国際舞台から姿を消した。
右ひざが限界だったといわれている。
2回の手術、芸能界デビュー、そしてトリノ五輪を目指し、リハビリを開始するも結果は思わしくなかった。04年に引退。25歳だった。

北朝鮮と韓国の和解ムードから反米感情が高まる中、オーノは韓国民の憎まれ役であり続けた。
五輪後韓国から国際試合の招待が数度に渡ってあったが、「チームの安全の保証ができない」と断ってきた。
トリノ五輪を4ヶ月後に控えたこの10月が初の訪韓になる。
金メダルの最右翼はどんなレースをするのだろう。

金東聖は、トリノ五輪は解説者として参加。五輪後はアメリカに留学する。そして英語やスポーツマーケティングなどを学ぶそうだ。

|

« グレツキー監督 砂漠のフェニックスでデビュー | Main | 3つの国の代表で3回オリンピックに出た選手もいる »

Comments

The comments to this entry are closed.