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November 25, 2005

栄光への架け橋はまだまだ続く 冨田洋之体操個人総合を制す

Q.体操で史上初めて10点を出した選手は女子ではナディア・コマネチですが、男子では誰でしょう。

1.塚原光男
2.ニコライ・アンドリアノフ
3.ゾルタン・マジャール

1976年のモントリオール五輪にコマネチが登場し、段違い平行棒と平均台で計7回の10点を出した。
当時のスコアボードは9.95までしか表示できず、「1.0」と表示された。
コマネチはこの前年1975年のプレ五輪でも10点を出しており、これが人類最初の10点といえる。
一方の男子は加点式で争われたためなかなか10点は出なかったが、当時「あん馬の神様」と呼ばれたハンガリーのゾルタン・マジャールが1979年のメキシコユニバーシアードのあん馬で出した10点が最初だったと記憶している。マジャールの名前は「マジャール旋回」というあん馬の技として耳にしているだろう。

ところが、体操の10点満点は現在開催中の世界体操選手権が最後になり、来年からは事実上上限はなくなることになる。

<<体操採点方式変更「10点満点」廃止
国際体操連盟(FIG)は10日、当地で理事会を開き、体操競技の代名詞ともいえる「10点満点」の採点方法を、来年1月1日からは満点を設けない方式に変更することを決めた。
1976年モントリオール五輪で女子のナディア・コマネチ(ルーマニア)が史上初の満点をマークし、世界を驚かせた10点満点の採点方法が姿を消すことになった。
かつて「ウルトラC」と呼ばれていた最高難度の技は、現在では「スーパーE」にまで進化するなど、目覚ましい進歩を遂げる体操の技術は、10点の尺度で測ることが困難になってきていた。

新システムでは〈1〉選手の演技構成の難度を反映した上限なしの「演技価値点」〈2〉実施の正確さを10点満点から減点して出す「演技実施点」―の2つを合計し、順位を決める。合計点は10点を超える見通し。
FIGは7年前にも導入を試みたが、反対意見が強く廃案になった経緯がある。しかし、昨夏のアテネ五輪での採点の不手際が各方面から批判を招き、改革への動きが加速していた。 (共同通信10月10日)>>

アテネ五輪当時は(2001年版ルール)で実施5.0+難度2.8+要求グループ1.0加点1.2=10.0だったが、現在は2005年版ルールで
実施5.0+難度2.8+要求グループ0.6加点1.6=10.0となっている。
事実上、0.4点五輪当時よりも得点が出にくくなっている。
こうした条件下での冨田・水鳥のワンツーフィニッシュは体操日本の実力を改めて証明した形だ。

今回ポール・ハム、楊威、梁泰栄が欠場していることを指摘する声もあるが、彼らは単に準備ができなかったのであり、日本勢は周到な準備と練習を重ねてきたのだ。
●体操個人総合優勝者

1964

五輪

遠藤幸雄(日本)

1968

五輪

加藤沢男(日本)

1970

世界選手権

監物永三(日本)

1972

五輪

加藤沢男(日本)

1974

世界選手権

笠松茂(日本)

1976

五輪

アンドリアノフ(旧ソ連)

1978

世界選手権

アンドリアノフ(旧ソ連)

1979

世界選手権

ディチャーチン(旧ソ連)

1980

五輪

ディチャーチン(旧ソ連)

1981

世界選手権

コロレフ(旧ソ連)

1983

世界選手権

ベロツェリツェフ(旧ソ連)

1984

五輪

具志堅幸司(日本)

1985

世界選手権

コロレフ(旧ソ連)

1987

世界選手権

ロツェリツェフ(旧ソ連)

1988

五輪

アルチョーモフ(旧ソ連)

1989

世界選手権

コロブチンスキー(旧ソ連)

1991

世界選手権

ミチューシン(CIS

1992

五輪

シェルボ(CIS

1993

世界選手権

シェルボ(ベラルーシ)

1994

世界選手権

イワンコフ(ベラルーシ)

1995

世界選手権

李小双(中国)

1996

五輪

李小双(中国)

1997

世界選手権

イワンコフ(ベラルーシ)

1999

世界選手権

クルコフ(ロシア)

2000

五輪

ネモフ(ロシア)

2001

世界選手権

馮敬(中国)

2003

世界選手権

P.ハム(アメリカ)

2004

五輪

P.ハム(アメリカ)

2005

世界選手権

冨田洋之(日本)

 


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