不滅のジャンパー ビルゲ・ルード
トリノ五輪まであと98日だそうだ。
今日のような暖かい日が続くと、冬季五輪が間近だというのがうそのようだ。
ノルディックスキーの本場ノルウェーで「不滅のジャンパー」と呼ばれていた選手がいる。
ビルゲ・ルード(1911~1998)だ。
かつては、1種目で競われていたジャンプ競技、20歳で出場した1932年のレークプラシッド五輪、24歳で迎えた1936年のガルミッシュパルテンキルヘン五輪で連覇を果たした。
1940年に予定されていた札幌五輪は戦争のため中止。その後ノルウェーは、ナチスドイツに占領された。しかし、ビルゲ・ルードはナチズム信奉を拒否、1943年から2年間、投獄されることになる。
戦後最初の冬季五輪、1948年のサンモリッツ五輪を36歳で迎えたビルゲ・ルードは選手ではなくコーチでの参加だった。
ところが、ジャンプ競技の前日、気象条件が悪化する。ノルウェーチームは、「若い経験の浅い選手にとって、ジャンプ台の状態は極めて危険」と判断。一人の若手選手の代わりにビルゲ・ルードを出場させた。
手を前に出し回しながら飛ぶ戦前のスタイルのビルゲ・ルードが2位に入った。
間12年を経て再びメダルを獲ったジャンプの選手は彼以外にいない。
この大会は、同じノルウェーのピーター・フグステッドが金メダルを獲るのだが、ビルゲ・ルードへの歓声がより大きかった。
1994年のリレハンメル五輪で、ビルゲ・ルードはノルウェー旗を揚げるはずだった。
しかし、高齢で病気を患っていた彼は、ベッドの上からその開会式を見ていた。
とはいうものの、トリノ五輪を目指すニッポンジャンプ陣、岡部孝信35歳、葛西紀明33歳、東輝33歳
あんまりビルゲ・ルードと変わらないな・・・。
●ビルゲ・ルードの戦績
冬季五輪優勝
1932年、1936年
同2位
1948年
世界選手権優勝
1931年、1935年、1937年
同02位
1939年
ノルウェー選手権優勝
1939年
同2位
1937年
同3位
1940年、1947年
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