浅田真央を援護 米ABC放送
アメリカのテレビ局が浅田真央を特集し、年齢による五輪参加制限に疑問を投げかけたレポートを放送した。
アメリカの国内向けテレビ放映権はNBC放送が持つ。
04年夏季(アテネ)、06年冬季(トリノ)、08年夏季(北京)の3大会分を一括して獲得した際の放映権はなんと23億ドル(約2760億円)。
この莫大な金額で、五輪の商業化に随分と貢献してきた。
ところがこのレポートはライバルであるABC放送によるものだ。NBCによる景気づけの前宣番組ではないところにも注目だ。
<<浅田真央をトリノ五輪に 米TV、参加制限に疑問
米テレビの3大ネットワークの一つ、ABCは1日、夜のニュース「ワールド・ニューズ・トゥナイト」で女子フィギュアスケートの浅田真央(15)=グランプリ東海ク=を特集し、年齢による五輪参加制限に疑問を投げかけた。
番組では浅田真がトリノ五輪に出場すれば有力な金メダル候補と紹介。わずかの差で五輪に出場できないことに同情する米国人記者らの意見を放映した。
国際スケート連盟(ISU)は医学的な見地から「五輪、世界選手権に出場するには、その前年の7月1日までに15歳になっていること」との規定を設けている。ことし9月25日で15歳になった浅田真には出場資格がない。
15歳8カ月で長野五輪の金メダリストとなったタラ・リピンスキー(米)は、番組のインタビューに対し「ジャンプするなと言われても、どうせやり続ける。五輪に出してあげたらいい。4年間は長い」と話した。(共同) (12/02 11:32)>>
1996年にフィギュアの年齢に関するルールが変更になり、伊藤みどりの頃より厳しくなっている。
1998年に長野五輪で金メダルを獲ったタラ・リピンスキー。
リピンスキーは、1997年の世界選手権に優勝したときは、14歳だった。
そのため長野五輪の年齢制限に免除され、15歳でミッシェル・クワンに勝って金メダルを獲った。
1928年サンモリッツ大会で優勝したソーニャ・ヘニー(ノルウェー)の15歳10か月を更新する15歳8か月という史上最年少の記録を作った。
リピンスキーは五輪のために親元を離れて中学校へも通わず練習漬け。そんな生活に嫌気がさしていたのだろう。金メダルを獲ったあと、ケガを理由にあっさりと引退してしまった。
ソルトレークシティで金メダルのサラ・ヒューズも16歳だった。が、その後は太り、よい成績を残していない。
ヒューズの場合は、旧採点方式による棚ぼた的金メダルであった。
このほかにもソルトレークシティ五輪では、イリーナ・スルツカヤが金メダルを獲れなかったことや、ベレズナヤ/シハルリドゼ組(ロシア)、サーレ/ペルティエ組(カナダ)の結局は両者金メダルで落ち着いた、フィギュアの採点方式変更のきっかけとなったペアの審査疑惑、メダル奪回騒動等があった。
いずれも被害者だったロシアが、ソルトレークシティ大会期間中に引き上げるのではとも言われた。が、今回トリノでスルツカヤが金メダルを獲ることで話がついているとの噂もある。
あくまでも噂にすぎないのだが、実際、今季のスルツカヤは金メダル一直線といったところだ。
グランプリ中国大会の得点はで196,12で優勝。2位だった浅田真央は176,60、3位だった荒川静香は173.60(今季ベスト)。
浅田真央が優勝したフランス大会の得点は182,42(自己ベスト)。
スルツカヤ優勝のロシア大会は198,06(自己ベスト)、2位だった安藤美姫は172,30(自己ベスト)だった。
現在のフィギュアの得点は相対的なものではなく、絶対的なものに変わっている。スルツカヤ大本命というのがわかろう。
安藤美姫のNHK杯の結果が出ていないが、日本人選手の力関係は1.浅田真央 2.安藤美姫 3.荒川静香(自己ベスト182.19)ということになる。
浅田真央の残るグランプリはファイナルのみだが、この大会でスルツカヤにどこまで肉薄するかで、状況(浅田がトリノに行けるか)変わってきそうだ。
●参考リンク
浅田真央15歳の壁、伊藤みどり14歳の壁
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