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December 11, 2005

フィギュアスケート選手のCMのギャラはどこへ流れているのか?

JOCは「JOCシンボルアスリート制度」というマーケティング事業(CM出演制度)を実施している。
かつて行っていた、選手強化キャンペーン「がんばれニッポン!キャンペーン」を発展解消したものだ。

2005年度のシンボルアスリートは、陸上の室伏広治、末續慎吾、柔道の井上康生、谷亮子、レスリングの浜口京子、卓球の福原愛、ジャンプの葛西紀明、スピードスケートの岡崎朋美、そしてフィギュアスケートの荒川静香、村主章枝、安藤美姫の3人だ。
競泳の北島康介やスピードスケートの清水宏保、モーグルスキー上村愛子、マラソンの野口みずきらの選手は辞退している。

安藤美姫が松下電器、ロッテのCMに出ているのは、このシンボルアスリート制度に則った活動だ。
このシンボルアスリートに選ばれた選手にはJOCから年間1000万円から2000万円の協力金が払われる一方、肖像権はJOCが管理し、JOCスポンサー企業のCMに対してのみ出演が可能となっている。
松下電器やロッテがJOCに対して払っている協賛金は4年間で3億円。
もちろん、五輪マークを使用した広報活動の金額も含むわけだから、CMの対価ではない。
そして、企業が支払ったJOCへの協賛金は各競技団体に強化育成費として配分されている。
いわば、安藤の懐に入る額は少なく(といっても高校生に2000万円は高額だが)、スケート連盟をはじめ、競技団体にとっては貴重な収入源になっている。

ところが、安藤はトヨタ自動車のCMにも出演中だ。
高校卒業後トヨタ所属となる予定の安藤にとっては「自社プログラム出演選手」としての出演になるので別のはなしだ。(詳細は調査中)

「シンボルアスリート」を辞退している北島康介は、より自由な商業活動が可能となっている。
いわゆるプロ活動がOKということになる。
JOCはこうした「シンボルアスリート」の辞退の対抗策として、JOCから日本水連へ配分される強化費は減額するという手段を採った。
このためJOCのマーケティング戦略を人質ビジネスと揶揄する人もいる。
これに対して北島は自らの商業活動で得た収入の一部を日本水連に寄付する意向を表明し水連への配慮を示している。

ほかにも、マラソンの野口みずきのようにJOCの都合によってスケジュールが制限されることを嫌ってシンボルアスリートを辞退しているケースもある。
10年前、20年前よりも選手の商業活動の幅は随分拡がってはいるが、まだまだ未解決の部分も大きい。

安藤が、CM出演をしている以上、トリノ落選はあり得ないとの意見も多く見られるが、アテネ五輪の時には伊藤華英が同様のケースにいながら落選したことを再度指摘しておく。

また、ロッテのCMには安藤、荒川静香、村主章枝の3人で出演している。
トリノ五輪はこの3人で という意思がフィギュア強化部長のS氏にはあった。
いずれもS氏が手塩に掛けた選手だ。
一方、伊藤みどり育てたY氏。
現在は恩田美栄、浅田真央のコーチを務め、中野由香里も高校卒業までは指導を受けていた。
そして、S氏とY氏の仲は良くないと指摘する声もある。
日本スケート連盟がISUに特例を求めない理由がこのあたりにありそうだ。

●参考記事
アテネ五輪前に松下電器のCMに出ていた伊藤華英 トリノ五輪前に出ている安藤美姫

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