« YAWARA・谷佳知夫妻以外で同一五輪でともにメダルを獲得した夫婦 | Main | 浅田真央を援護 米ABC放送 »

December 02, 2005

共同通信さん 間違ってるよ

20051201e003y71430<<【トリノ30日共同】来年2月のトリノ冬季五輪で選手に授与されるメダルが30日、当地で公開された。メダルは中央部分に穴があいた「ドーナツ形」で、重さは450グラム。イタリアで人々が集まる広場と情熱がイメージされた、ユニークなデザインとなった。
 選手が首からかけると、穴の位置が心臓に当たるというデザイン。1928年から五輪メダルのデザインは同じだったが、昨年のアテネ夏季五輪でギリシャ風の新メダルに改められ、今回も大きく変わった。>>

共同通信から配信され、1日の朝刊各紙に掲載されたニュースだが、大きく間違っている。
五輪のメダル、夏季大会のメダルのデザインは、1928年のアムステルダム大会以来同じ図案が使用されてきていた。
この図案は公募によってフランス(イタリア人の説もあり)の彫刻家ギュセップ・カシオリがメダルにしたもので、 大会によって回数、年号、大会名が変わるのみだった。

ところが、近代五輪発祥のアテネに五輪が還るに際し、IOCの理事会で新たなメダルのデザインが認められたのだ。

NAGANO一方、冬季大会のメダルは、決まったデザインはなく、各大会が趣向を凝らしたデザインを用意してきた。
例えば、1998年の長野五輪では日本が誇る伝統工芸 漆を使用。信州の山々の「朝焼け」が漆芸技法の蒔絵で表現されていた。
1972年の札幌五輪では表が八木一夫氏、裏が田中一光氏がデザインした顔のように見えるメダルが用意された。
だから、トリノ五輪のメダルも、今までの慣例に則っただけの話だ。

メダルのデザインに限らず、オリンピックは夏季と冬季と若干スタンスが異なる部分がある。
たとえば、元来は「4年間」を意味するオリンピアードということばは、オリンピックの後に続く4年間の期間を意味する場合とオリンピック競技大会そのものを指す場合がある。
例えば第18オリンピアードというのは1964年の東京五輪のことを指す。

したがって近代オリンピアードは、1896年が起点となっている。オリンピックは,必ず一オリンピアードの1年目に行われ、仮にその年に大会が開かれなかったとしても、そのオリンピアードの残る3年の間に行われることはなく、その回数はそのままカウントされる。

過去にも大戦によって、1916年=第6オリンピアード、1940年=第12オリンピアード、1944年=第13オリンピアードの3回はオリンピックの競技会自体は開催されなかった。
けれども、戦後最初のオリンピックの1948年ロンドン大会は第14オリンピアードであり、いわば夏季オリンピックには欠番がある。

冬季オリンピックは,オリンピアード大会と同じ歴年に開催されていた頃も、現在も別の周期で実施されており、オリンピアードという用語は使用されない。第8オリンピアードの1924年に開かれたシャモニー大会を第1回とし,この年を起点として開催順に順番をつけており、欠番はない。1998年の長野大会は第18回大会で、たまたま夏季大会の東京大会と序数が一致してしまった。

オリンピックのメダルはスポーツ博物館のサイトで見ることができる。

トリノ五輪メダル:AP2005
長野五輪メダル:長野工業技術総合センター

|

« YAWARA・谷佳知夫妻以外で同一五輪でともにメダルを獲得した夫婦 | Main | 浅田真央を援護 米ABC放送 »

Comments

The comments to this entry are closed.