石原慎太郎都知事 「国立競技場はダメだ」
2016年夏季五輪の招致を目指す東京都の石原慎太郎都知事は、1964年の東京五輪で使用した国立霞ヶ丘競技場の改築では対応が難しいとの考えを示した。
最近の五輪メーン競技場は観客席が7万人以上、陸上競技用のレーンは9レーンを必要としている。
国立競技場は観客席が5万6000人、レーンは8しかない。
そして改修なり、同じ敷地に観客数8万~10万人規模の施設を建設した場合、周辺の道路にはみ出してしまうとしている。
国際陸上競技連盟IAAFは2002年以降、IAAFが定める競技場の基準「クラス1」の認定を受けた競技場でしか、五輪、世界選手権を開催できないと決めた。
日本では早速新潟スタジアムがクラス1を取得したが、2007年世界陸上選手権開催の決まっている長居陸上競技場は「クラス2」しか取得していないが、特に問題があるとは聞いていない。
とはいうものの、国立競技場の8レーンというのは現代の陸上競技としては古すぎるかもしれない。
2002年のFIFA W杯のために建設されたスタジアムの中で陸上競技とサッカー兼用となっているものはさすがにどこも9レーンのようだ。
○長居陸上競技場 9レーン 収容人数 50,000人
○新潟スタジアム(ビッグスワン) 9レーン 42,300人
○日産スタジアム 9レーン 72,327人
○静岡スタジアム(エコパスタジアム) 9レーン 50,889人
○宮城スタジアム 9レーン49,000人
○大分スポーツ公園総合競技場(ビッグアイ) 9レーン 40,000人
参考までに以前からある大型競技場は次のようになっている
○神戸総合運動公園陸上競技場(ユニバー記念競技場) 9レーン 45,000人
○広島広域公園陸上競技場(ビッグアーチ) 8レーン 50,000人
○博多の森陸上競技場 8レーン 30,000人
○味の素スタジアム 9レーン 50,000人
これを見ていくと、筆者は、味の素スタジアムを改修して収容人数を増やすか、日産スタジアムをメーン競技場にすればいいと思うのだが、石原都知事は
「(選手村から)移動に時間がかからない形で、いくつか思いがけないところに、スペースはありますな」と、羽田空港の沖合い展開に伴う跡地などを挙げたという。
少々古いが、読売新聞10月28日には、こんな記事も出ている。
どうしても23区内で、五輪に合わせた大再開発をしたいようだ。
<<東京都の2016年の東京五輪招致で、メーン会場を東京・渋谷の代々木公園とし、10万人規模の新スタジアムや選手村を建設する大再開発構想が進んでいることが28日、わかった。
再開発面積は100ヘクタールを超え、総費用約1兆円を見込む巨大プロジェクト。関連施設を集中させることで、国内外の招致合戦に勝ち抜こうという狙いで、実現すれば、1964年の東京五輪以来の“首都大改造”となる。
構想によると、再開発の中心となる地域は、代々木公園(54ヘクタール)と、北側に接する国立オリンピック記念青少年総合センター(8・4ヘクタール)、南側の国立代々木競技場(9ヘクタール)を含む計71・4ヘクタール。さらに、約2キロ離れた国立霞ヶ丘競技場や神宮球場、東京体育館などが集まる神宮外苑(35ヘクタール)も対象となる。
代々木公園内には、開会式や陸上競技に用いるメーンスタジアムを建設。国内最大級の約10万人収容のスタンドを整備し、「選手が歩いて行ける場所」に滞在施設(選手村)を作る。また公園内には水泳競技のプール新設も検討されている。
一方、神宮外苑では、58年建設の国立競技場を壊して、サッカーの主会場とする約7万人収容のスタジアムを建設。バレーボールなどの会場を想定する東京体育館も建て替え、神宮球場を「ドーム化」する案も出ている。
都によると、五輪招致の第一条件は「優れた開催計画を持つこと」で、中でも選手村の立地は選手のコンディション維持や警備面で最重視されている。神宮外苑は選手村からバスで約5分という至近距離。
12年の開催が決まったロンドン五輪も、選手の8割が選手村から20分以内で競技場に行ける便利さが高く評価されており、都では、主な競技を代々木・神宮一帯に集約することで「利便性」をアピールし、招致運動を有利に進めたい考えだ。
また、64年の東京五輪は93か国・地域から5133人が参加したが、昨年のアテネ五輪は202か国・地域で1万1099人が参加。観客動員数も飛躍的に増えており、前東京五輪の施設では収容能力が著しく不足するとみられている。
日本体育協会会長の森前首相が先月16日、都庁で石原慎太郎知事と会談、「大がかりな再開発が不可欠」との方針を申し合わせた。>>
●参考リンク
オリンピックスタジアムの今
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