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December 28, 2005

週刊ジャンプ? いえ ジャンプ週間開幕です

欧州ジャンプ週間」というスキージャンプのシリーズをご存知だろうか。
年末年始の1週間にドイツとオーストリアで4戦して「世界最強のジャンパー」を決めるシリーズである。
W杯創設前から開催されている伝統を誇る大会で、既に半世紀以上に渡って行われている。
欧州の選手、観客にとってはシーズン最高のイベントであり、1週間で20万人を超える観客を集め、五輪とはまた別の「最高のステータス」を持つ。
毎年行われているこのシリーズは、特に五輪の年には五輪本番のメダル争いを占う前哨戦となっている。

1953年1月、ドイツとオーストリアの対抗戦から始まったこのシリーズは、全4戦行い、4戦の総合得点で優勝者が決まる。
第2回大会(53~54年)から、年末年始を挟んで行うようになり、79 ~80年大会からは、各4戦がW杯を兼ねるようになった。
五輪シーズンの総合優勝者は13人いるが、うち8人がメダルを獲得。金メダリストは6人いる。
特に76年インスブルック五輪から98年長野五輪まではジャンプ週間の王者が6大会連続でメダルを獲得しており、しかもソルトレークシティでも金メダルを外さなかった。

日本人選手で最初にジャンプ週間に名前を刻んだのは、もちろん札幌五輪の金メダリスト笠谷幸生である。
札幌五輪を28歳という円熟期に迎えた笠谷は、71年~72年のジャンプ週間に3勝を挙げるという離れ業をやってのけた。
史上初の4戦4勝に欧州中が期待する中、笠谷は、「札幌五輪のための調整」を理由に帰国。
4戦目のビショップホーヘンを飛ばなかった。

3戦のみでの帰国は当初の予定通りだったそうだが、SAJ(全日本スキー連盟)や笠谷自身のジャンプ週間に対する認識は現在とはかなり異なっていたことが予想される。
笠谷帰国後のジャンプ週間はノルウェーのモルクが総合優勝となるが、モルクは札幌五輪でメダルに届くことはなかった。
笠谷は、70㍍級(現NH)で金メダル。日本勢日の丸飛行隊によるメダル独占はあまりにも有名だが、90㍍級は7位に終わっている。

83~84年のバイスフロク(東ドイツ)はサラエボ五輪でメダル3個、87~88年のニッカネン(フィンランド)はカルガリー五輪でメダル3個、91~92年ニエミネン(フィンランド)はアルベールビル五輪でメダル3個、93~94年ブレデセン(ノルウェー)はリレハンメル五輪でメダル2個。
バイスフロク以降、ジャンプ週間の優勝者は必ず、五輪の金メダルに絡んできた。
そして、97~98年のシーズン、長野五輪直前のジャンプ週間に船木が登場する。

●Come Back 97-98 欧州ジャンプ週間
第1戦 12/29 オーベルストドルフ(ドイツ) K-115
1.船木和喜
2.斎藤浩哉
3.A.ニッコラ(フィンランド)

第2戦 1/ 1 ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ) K-115
1.船木和喜
2.原田雅彦
3.斎藤浩哉

第3戦 1/4インスブルック(オーストリア) K-110
1.船木和喜
2.S・ハンナバルト(ドイツ)
3.J・アホネン(フィンランド)

第4戦 1/ 6 ビショフスホーフェン(オーストリア) K-120
1.S・ハンナバルト(ドイツ)
2. H・イェックル(ドイツ)
3. J・アホネン(フィンランド)

◆総合成績
1.船木和喜 
2.スベン・ハンナバルト(ドイツ)
3.ヤンネ・アホネン(フィンランド)

いかに長野五輪に日本ジャンプ陣が絶好調で迎えたかがわかるだろう。
ところが4年前、ソルトレークシティの前はこんな調子だった。

●Come Back 01-02 欧州ジャンプ週間
第1戦 12/30 オーベルストドルフ(ドイツ) K-115
1.S.ハンナバルト(ドイツ)
2. M.ヘルバルト(オーストリア)
3. A.シモン(スイス)
11.山田大起 14.宮平秀和 28.船木和喜

第2戦 1/ 1 ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ) K-115
1.S.ハンナバルト(ドイツ)
2.A.ビドヘルツル(オーストリア)
3.A.マリシュ(ポーランド)
4.山田大起 12.宮平秀和 31.原田雅彦 32.船木和喜 37.葛西紀明

第3戦 1/4インスブルック(オーストリア) K-120
1.S.ハンナバルト(ドイツ)
2.A.マリシュ(ポーランド)
3.M.ヘルバルト(オーストリア)
10.宮平秀和 13.山田大起 16.船木和喜 28.葛西紀明 

第4戦 1/ 6 ビショフスホーフェン(オーストリア) K-120
1.S.ハンナバルト(ドイツ)
2.M.ハウタマキ(フィンランド)
3.M.ヘルバルト(オーストリア)
20. 葛西紀明  23.原田雅彦 29.船木和喜 

◆総合成績
1.スベン・ハンナバルト(ドイツ)
2.マッチ・ハウタマキ(フィンランド)
3.マルティン・ヘルバルト(オーストリア)
16.宮平秀和 24.山田大起 25.船木和喜 38.原田雅彦

ドイツのハンナバルトが史上初の4戦4勝を達成。
ところが、ここからハンナバルトはものすごい重圧と戦わなくてはならなくなった。
ソルトレークシティ五輪ではアマンに足元をすくわれ、個人の金メダルは獲れなかった。

ジャンプ週間の優勝者の五輪での活躍振りをまとめてみた。

 

年・大会名

総合優勝

国名

NH

LH

団体

1972年札幌

モルク

ノルウェー

4

28

 

笠谷幸生3

日本

7

1976年インスブルック

ダンネンベルグ

東ドイツ

4

 

*インナウアー3

オーストリア

7

1980年レークプラシッド

ノイパー2

オーストリア

5

1984年サラエボ

バイスフロク3

東ドイツ

1988年カルガリー

ニッカネン3

フィンランド

1992年アルベールビル

ニエミネン3

フィンランド

1994年リレハンメル

ブレデセン2

ノルウェー

4

1998年長野

船木和喜3

日本

2002年ソルトレークシティ

ハンナバルト4

ドイツ

4

 

今季、ジャンプ界をリードしているのはチェコのヤクブ・ヤンダ。
ここまで7戦で4勝をマーク。
皮肉にもソルトレークシティ五輪で日本チームのヘッドコーチだったバシャ・バイツが指導し急成長を遂げた選手だ。

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