オリンピック選手の皆さん ブログには注意しましょう
JOCがトリノ五輪選手団でブログを開設している選手に注意を呼びかけている。
これはIOCが五輪憲章で選手に五輪期間中のジャーナリスト活動を禁じており、違反すれば資格を取り消される恐れがあるからだ。
2004年のアテネ五輪のときにはこんなことがあった。
読売新聞は、柔道男子60キロ級で3連覇を達成した野村忠宏の手記の形式をとった記事を掲載した。
野村が奥さんに感謝の気持ちを表すという内容で、同選手のサイン付きで8月15日付朝刊に掲載されたものだ。
JOCは、五輪憲章に抵触する恐れがあると読売新聞に今後同様の記事を掲載しないよう申し入れをした。
これに対し、読売新聞は「今後、注意をする。同様の記事の記載は行わない」とJOCに回答をした。
読売新聞はアテネ五輪の前からJOCのスポンサーを務めている。
その関係で許されると踏んでいたか、五輪憲章を知らなかったか定かではないが、「野村手記」以降JOCの対応は厳しくなっている。
さらに遡れば、1992年のバルセロナ五輪、陸上走り幅跳びと4×100リレーで金メダルを獲ったカール・ルイスが開会式の際、場内に持ち込んだ携帯電話で新聞社に感想を寄せたことでIOCからUSOCが注意を受けている。
この「ルイス事件」以降IOCは選手のジャーナリズム活動に敏感になった。
実は、トリノ五輪選手団の中には現役新聞記者の中山英子がいる。
信濃毎日新聞社に勤務する中山は、長野五輪を取材して五輪選手をめざしたというスケルトンの選手だ。
選手村の様子、競技前後の心境、ジャーナリストならではの文章が伝えられたであろうが、それも叶わないとは少し残念な気もする。
一方、モーグルで3度目の五輪出場を果たした上村愛子、彼女のブログteam-aikoでは、上村本人が書き込めない五輪期間中は、栄養士である上村の実母、圭子さんが食事内容や体調を書き込んで、サイトの魅力を保てないかと思案しているという。
五輪憲章自体が時代にマッチしていなく、どこまでがジャーナリスト活動とされるか明確な基準がないまま自主規制を呼びかけているのが現状のようだ。
五輪期間中に書き溜めたものを閉会後にエントリーすることもシロクロつけることが難しい。
いまや商業主義の権化のような五輪なのに、ひどく時代錯誤的なはなしだ。
●参考記事
上村愛子の小口スポンサーは数10万円から
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