上村愛子の小口スポンサーは数10万円から
1月2日 JOCの後援組織から年賀状が届いた。
JOCシンボルアスリートの選手たちの写真付きだ。
フィギュアスケートの荒川静香、村主章枝、安藤美姫の3人、ジャンプの葛西紀明、スピードスケートの岡崎朋美のトリノ五輪組と陸上の室伏広治、末續慎吾、柔道の井上康生、谷亮子、レスリングの浜口京子、卓球の福原愛の顔が並んでいる。
彼らの肖像権はJOCが握っているのだ。
今日は、シンボルアスリートを辞退し、独自の肖像権活動を続ける上村愛子を紹介する。
上村は2005年の世界フリースタイル選手権のデュアルモーグルで3位となり、早々と3回目の五輪出場を決めた。
長い間ともに競ってきた里谷多英が不祥事を起こし、スキー界唯一の女子有望選手としてその存在価値は高い。
上村には公式サイトteam-aikoと、と公式ブログとがある
その公式サイトにはteam-aikoのパートナーとして次の7社が名を連ねている。
エキサイト株式会社
アルペン
アイリバー・ジャパン
日清オイリオグループ
オメガ
エレクトロニック・アーツ
日本航空
上村もJOCシンボルアスリートの候補に挙げられたが辞退をした。
「これまで支援してくれたスポンサーとともにトリノで戦いたい」とその理由を語った。
高橋尚子や北島康介等のシンボルアスリートを辞退した選手たちは、複数年で億単位のCM契約を結んでいる。
一方、スキー界では抜群の知名度を誇る上村だが、五輪金メダリストである訳もなく、大口CM契約が結べるほどではない。
上村は、実は荻原兄弟なども在籍した北野建設の社員。
1億円稼ぐことよりも、スキー選手の環境整備こそがシンボルアスリート辞退の真相だったようだ。
専属トレーナーを付けること、ビジネスクラスを使っての海外遠征すること、遠征先での個室が彼女の希望だったといわれる。
1社あたりの契約金は数十万円からといわれ、その規模は随分と小さい。
7ヶ月前の日経新聞にこんな記事がある。
<<ポータルサイトを持つネットメディア「エキサイト」とコンビを組んだのがカギで、同社のホームページ上に上村のブログを公開し、ファンに生の声を伝える目玉商品とした。
ブログを“ホームゲレンデ”とし、上村のファッション、日々発する言葉から創造されていく企画をチーム企業で共催するなど、ビジネスの広がりも期待できる。
上村自身のブログを核に選手と企業が手を結ぶ。肖像権プラス、選手の生の言葉までまとめて売りに出す、従来のコマーシャル(CM)の枠を超えた新事例として注目される。(日経新聞2005.6.09)>>
JOCは、五輪期間中、選手やコーチのジャーナリズム活動を禁止。
ブログの更新も認められない。
team-aikoでは栄養士である上村の実母、圭子さんが食事内容や体調を書き込んで、サイトの魅力を保てないかと思案している。
企業側から見ると、JOCのスポンサーになるには4年3億円の協賛金が必要となる。
原則1業種1社の枠組みもあり、後発組には敷居が高いのが現状だ。
上村愛子型スポンサーならば、複数企業で1選手を支えることになり、企業側の負担は大きくない。
今季J1に昇格したヴァンフォーレ甲府のマーケティング戦略に通じるところがある。
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