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February 15, 2006

「びっくりドンキー」って最近よく聞くんですけどなんですか?

数日前にジャンプの実業団チームの変遷についての記事を書いた。
ウィンタースポーツも他のスポーツ同様、90年代以降その環境は大きく変わっている。

びっくりドンキーとは男子500mで4位に入賞した及川祐の所属先企業である。
筆者もなにをしている会社か最近まで知らなかった。ホームセンターかと思っていた。
実は、札幌市を本拠とするハンバーグレストラン。全国展開しており300店近くがある。

及川は北海道・池田高~山梨学院大学卒業だが、清水宏保や岡崎朋美のように若い頃から有名な選手だったわけではない。
「遅咲き」な選手だ。
山梨学院時代にインカレを制してもスケートのできる就職先はなかったそうだ。
スケート部の監督や大学の就職センターでみつけてもらった会社がびっくりドンキーだったという。

アイスホッケーで有名な王子製紙。
宮部保範氏やリレハンメル五輪の銅メダルコンビ堀井学氏、山本宏美氏(2人とも昨日TBSで解説していたあの人だよ)も所属していた1935年から活動していた名門だったが、2002年をもってそのスケート部の長い歴史を閉じた。

1998年の長野五輪のときに清水宏保や島崎京子(500m5位)が所属していたのが三協精機。
今は日本電産の傘下に入り、日本電産サンキョーと名前を変え、加藤条治や吉井小百合が所属している。

現参議院議員の橋本聖子氏や岡崎朋美が所属しているのが富士急行。
競技成績が人事にも反映する富士急では、岡崎朋美は富士急本社では課長代理、富士急ハイランドでは課長の筈だ。
トリノ五輪4位の報償で部長代理になるだろうから見ててごらん。

さて清水宏保だが、長野五輪で金メダルを獲ったのち、三協精機を退社。
現在はNECと単年の社員契約をしている。
完全なプロ契約ではなく、成績によるボーナスはない。
ほかにも、JAL、オンワード、本田技研、森永など数社とスポンサー契約をしている。
さすが2大会連続メダリスト、1億円くらい稼いでるの?
と思いきや、例えばスケート部のある企業に属していない清水はトレーナーも自腹を切る。
海外へも帯同すると、日当は約5万円、滞在費、飛行機代も清水が持つ。
いわば高橋尚子のチームQと同様、経費も莫大な額になっている。
スケート王国オランダでは超有名人、オランダからCMのオファーも来たが、前例がなくうまく行かなかった。
「貯金ができるような状況じゃない」本人談だそうだ。

●スピードスケート選手の所属先
1998年長野五輪 スピードスケート選手20名
富士急行4、三協精機3、王子製紙2、佐田建設2、ミサワホーム、西武鉄道、コクド、東芝、アルピコ、日本ニュクリアフュエル、学生等

2002年ソルトレークシティ五輪  スピードスケート選手20名
富士急行6、三協精機2、コクド2、NEC、橋本聖子事務所、PJM、メッツ、アルピコ、苫小牧臨床検査センター、学生等

2006年トリノ五輪 スピードスケート選手19名
日本電産サンキョー4、富士急行4、アルピコ2、チームディスポルテ2、NEC、びっくりドンキー、ダイチ、緑陽会、学生等

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