スピードスケート五輪代表から競輪へ
日本自転車振興会は24日、トリノ五輪スピードスケート代表の牛山貴広が日本競輪学校の特別選抜試験に合格したと発表した。冬季五輪の代表選手の合格は、長野五輪ショートトラック500m銅メダルの植松仁、ソルトレークシティ五輪500m8位の武田豊樹に次いで3人目となる。
日本競輪学校では世界規模の大会で優秀な成績を収めた者を対象として特別選抜試験を実施している。
この制度、植松の頃は五輪個人種目で銅メダル以上、武田の頃に五輪8位入賞以上、そして現在は準ずる成績でも可となっている。
牛山貴広の場合は2005年の世界スピードスケート選手権大会(オールラウンド)の500mで1位となったことが準ずる成績の対象となった。
もっとも、スピードスケート界には世界スプリント選手権があり、500mや1000mを得意とする選手は、オールラウンドには出場していないため「?」とも思うのだが・・・。
●牛山貴広トリノ五輪結果
男子1000m 28位
男子1500m 35位
男子5000m 27位
団体追い抜き 8位
もうひとりトリノ五輪で1000mと1500mに出場した今井祐介も競輪入りを表明していたが、特別選抜試験の対象とならないため、今季の受験はしなかった模様だ。
今井祐介といえば根本奈美等と2002年4月にアマチュアスポーツ選手の自立自活を目指すアスリート集団としてチームディスポルテを結成した。
というのも所属企業が廃部になったためで、スポンサー探し、練習場所の確保、スケージュール管理、体調管理を自分自身で全てやらなくてはならなかった。
とにかくこの4年間は苦労したようだ。
●今井祐介トリノ五輪結果
男子1000m 20位 (98年11位 02年15位)
男子1500m 34位 (98年16位 02年34位)
橋本聖子氏や大菅小百合など、スピードスケートの選手が夏季に自転車競技をするケースは以前からあるが、植松仁以前にも2人の五輪スケート選手が競輪界入りしている。
当時は特別選抜試験はなかったため、全く通常の受験だった。
市村和昭 (A2) 1980年 スピード・スケート500m 20位1000m25位
三谷幸宏 (A1) 1988年 スピード・スケート1000m23位
植松仁 (A1) 1998年 スケートショートトラック500m銅メダル
武田豊樹 (S1) 2002年 スピードスケート500m8位入賞
競輪選手は実力に応じて大きくS級、A級の2つのクラスに分けられ、さらにその中でもS級は2班、A級は3班のクラスに分けられる。
競輪入りして4年目の武田豊樹は現在S1、05年の賞金獲得額は96,980,222円。
相当なレベルといっていいようだ。
牛山貴広と来季には入学を果たすだろう今井祐介の活躍を期待したい。
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