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May 16, 2006

ジャネット・エバンスの不滅の世界記録 18年目についに破られる

筆者は、東西冷戦下で生まれた陸上の世界記録を度々皮肉る。
同様に永遠に破る事ができないと思われていた記録が水泳界にもあったのだが、ついに破られた。

J・ガトリンが陸上100mで9.76を出した同じ12日、パリで大記録が生まれていた。

競泳のフランス選手権、女子400m自由形でアテネ五輪金メダルのロール・マナドゥが4分3秒03の世界新記録をマークした。
従来の記録はジャネット・エバンス(米国)が1988年のソウル五輪で出した4分3秒85。
これは、女子の五輪実施種目としては最も古い世界記録であったが、18年ぶりに更新された。

水泳の得意な人を、おしめが取れないうちから泳いだ、と例えることがある。
ジャネット・エバンスは本当に2歳のときには普通に泳いでいたという天才だ。

水泳選手としてはとにかく小柄だった。
1987年、彼女が15才のとき、体重わずか43kgのエバンスは800mと1500mで世界記録を作った。
この両方の記録は、7年以上誰も破れなかった。

1988年のソウル五輪。16歳のエバンズは400mの個人メドレーにおいて最初の金メダルを獲得。
3日後、400m自由形で自らの世界記録を1.6秒更新し金メダル。
そして800m自由形で3つ目の金メダルを獲得する。

1992年のバルセロ五輪、400m自由形ドイツのダグマールハーセが、最後の100mでエバンスを捕え、30㎝差でエバンスは敗れた。
ところが2日後の800m自由形、圧倒的な強さを見せたエバンスはタイトルを防衛する。

1996年アトランタ五輪はエバンスにとって最後の五輪だった。
400m自由形は予選9位で決勝進出ならず、800mは決勝6位に留まった。
こうして静かに水からは上がった。

とはいえ、この大会は、エバンスにとってもうひとつのハイライトだったといわれている。
アトランタ五輪といえば、開会式でローマ五輪の金メダリスト、モハメッドアリがパーキンソン氏病の震える手で聖火を点火したのを覚えているだろう。
このアリに聖火トーチを手渡したのがエバンスだった。

●ジャネット・エバンス 五輪メダル
金メダル 1988年400自 800自 400個 1992年800自
銀メダル 1992年400自

●女子400m自由形 五輪優勝者
1980年 Ines Diers (東ドイツ)4:08.76
1984年 Tiffany Cohen (米国)4:07.10
1988年 Janet Evans (米国)4:03.85
1992年 Dagmar Hase (ドイツ)4:07.18
1996年 Michelle Smith (アイルランド)4:07.25
2000年 Brooke Bennett (米国)4:05.80
2004年 Laure Manaudou (フランス)4:05.34

 

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