ニューヨークは早くも脱落
ピーターユベロス氏を覚えているだろうか。
1984年のロサンゼルス五輪の組織委員長を務め、商業五輪に道を開き、400億円を超える黒字を生み出した人物だ。
ユベロス氏の手法は、その後の全ての五輪に受け継がれている。
このユベロス氏は現在アメリカ五輪委員会USOCの会長職にある。
そして先月、USOCは2016年夏季五輪招致のため、USOCの代表が立候補希望都市の市長や経済界のリーダーらに会い、招致の意思を確認することを決めた。
その上で、米国として立候補するかどうかを決める段取りであるという。
ロンドン開催の決まった2012年五輪にはニューヨーク市(NYC)も立候補していたが、ロンドン・パリの一騎打ちの前に早々と落選した。
というのもメイン競技場となる施設の財政的裏づけがないと厳しい評価がなされていたのだ。
NYCの計画では、大リーグニューヨークメッツの新設が決まっているスタジアムを利用。
2012年五輪では収容人数8万人に拡張し、その後4万5000人規模に再縮小するというものだった。
ところが、ニューヨーク州の下院がスタジアム建設に州予算を使う案を否決。
この部分をIOCは指摘したのだ。
USOC会長ピーターユベロスは、NYCの失敗を教訓に今回の立候補都市には次のような条件を提示している。
1)開閉式と陸上競技のメイン会場となる既存のスタジアムがあること
2)全ての施設が既存か、周到な計画があること
3)選手村とメディア村、さらには十分な宿泊施設があること
4)地方政府、州政府、連邦政府から民間企業まで招致を支持していること
5)他国の立候補都市に勝つだけの現実的な機会があること
これを踏まえ、USOC幹部は立候補に興味を示しているヒューストン(5月8日)、フィラデルフィア(5月9日)、シカゴ(5月10日)、ロサンゼルス(5月18日)とサンフランシスコ(5月18日)の市長を訪ねることになっている。
NYCの立候補は難しい状況だ。
この5都市の内、ロサンゼルスは1932年、1984年の2回夏季五輪の開催経験があるが、他の都市は初めてとなる。
追記:USOCの幹部の中にロバート・ストブルトリック(BobCtvrtlik)の名前を見つけた。
男子バレーの全米代表でカーチ・キライの対角を組みソウル五輪で金メダルを獲った選手だ。
出身はロングビーチ、とするとロサンゼルスが有利か?
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