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September 19, 2006

ハンマー投げの永遠に破ることのできない世界記録

陸上の地域別対抗戦、W杯の第1日は16日、アテネで行われ、男子ハンマー投げは室伏広治が82m01の今季自己ベストで制し、日本選手としてW杯初勝利を挙げた。
アテネ五輪金メダリストの室伏広治、昨年は休養にあてていたせいか、今年は充実している。
今季出場した7戦に全勝していることからもその調子の良さが判ろう。

そんな室伏だが、自己ベストは3年前に出した84m86。
この種目の世界記録は86m74という驚異的な記録だ。

陸上競技の世界記録を語る際に1980年代に出された記録が今なお残っていることに気づくだろう。
旧ソ連や旧東ドイツの組織的なドーピングの残滓であると見る人もいる。
世界記録保持者のユーリー・セディフは、1980年代に活躍した旧ソ連の選手だ。
現在多くの選手が4回転ターンを行っている中、セディフは1回転少ない3回転ターンだった。
セディフは86m台の記録が3回、85m台の記録を5回出すなど、その実力は抜きん出ていた。

1984年9月に東京国立競技場で84m60を出した投てきをたまたま見に行っていたのだが、ハンマーの飛び出す角度とスピードが一人だけ別世界で、あっけに取られたのをよく覚えている。

昨年の7月に現在も室伏のライバルとして活躍するイワン・ティホンがセディフの世界記録にあと1センチと迫る大記録を出してはいるが、あまりの突出した記録と、当時の旧ソ連が組織的ドーピングが盛んであったことにより、セディフにも薬物使用が噂されていた。

現在、セディフはフィンランドのコーチを務めている。そして、セディフのライバルで当時もうひとりの86mスロワーだったセルゲイ・リトビノフは現在ベラルーシのコーチをしている。その選手の中には、セディフの記録にあと1センチと迫ったイワン・ティホンも含まれている。

また、セディフの夫人は1980年モスクワ五輪女子100mで、当時全盛期だった旧東独のゲールを押さえて金メダルを獲ったリュドミラ・コンドラチワなのだが、恐らく誰も知るまい。

●男子ハンマー投げ2006年ランキング
82.95 ワジム・デビャトフスキー BLR
82.31 シモン・ジオルコフスキ POL
82.01 室伏広治 JPN
81.49 Valeriy Sviatokha BLR
81.35 Krisztián Pars HUN
81.12 イワン・ティホン BLR
81.10 Markus Esser GER
80.84 Olli-Pekka Karjalainen FIN
80.82 Karsten Kobs GER
80.56 Andrei Varantsou BLR

●男子ハンマー投げ世界歴代ランキング
86.74 ユーリー・セディフ URS 1986年8月
86.73 イワン・ティホン BLR 2005年7月
86.66 ユーリー・セディフ 1986年6月
86.34 ユーリー・セディフ 1984年7月
86.04 セルゲイ・リトビノフ URS 1986年7月
85.74 セルゲイ・リトビノフ 1986年8月
85.68 ユーリー・セディフ 1986年8月
85.60 ユーリー・セディフ 1984年7月
85.60 ユーリー・セディフ 1984年8月
85.20 セルゲイ・リトビノフ 1984年7月
85.14 セルゲイ・リトビノフ 1986年7月
85.14 ユーリー・セディフ 1988年9月
85.02 ユーリー・セディフ 1984年8月
84.92 ユーリー・セディフ 1986年7月
84.90 ワジム・デビャトフスキー BLR 2005年7月
84.88 セルゲイ・リトビノフ 1986年9月
84.86 室伏広治 JPN 2003年7月
▲ティホン、デビャトフスキー、室伏の記録を除くと全て1980年代の記録、しかもセディフとリトビノフしか出てこないところに歪さを感じる。

●参考記事
陸上女子の永遠に破ることのできない世界記録
陸上女子の永遠に破ることのできない世界記録 (中国人選手編)

五輪招致史の正体 Kindle版
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