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September 21, 2006

やり投げの破ることのできない世界記録保持者ゼレズニーが引退

今年40歳になったやり投げの世界記録保持者ヤン・ゼレズニー(チェコ)が19日、現役生活最後の競技会として出場したチェコのムラダーボレスラフでのエキシビション大会で、82m19を記録した。
9月24日のセイコースーパー陸上が引退試合といわれいたが、出身地であるムラダーボレスラフで競技を始めたので、ここで終わりにしたいと話したそうだ。

ゼレズニーといえば、エピソードには欠かせない選手だ。
1988年のソウル五輪では銀メダルに終るも、92年バルセロナ、96年アトランタ、00年シドニーと五輪3連覇を達成。
4連覇を賭けたアテネで9位に終ったあと、引退を表明していた。
ところが、今年の欧州選手権では85m92を投げて堂々の3位に入っていた。

やり投げの世界歴代ランキングを見て欲しい。
ゼレズニーの記録が10傑中7つ占めている。いかに傑出した選手だったかが、わかろうというものだ。

●男子やり投げ 世界歴代ランキング
98m48 ヤン・ゼレズニー CZE 1996年5月
95m66 ヤン・ゼレズニー CZE 1993年8月
95m54 ヤン・ゼレズニー CZE 1993年4月
94m64 ヤン・ゼレズニー CZE 1996年5月
94m02 ヤン・ゼレズニー CZE 1997年3月
93m09 Aki Parviainen FIN 1999年6月
92m80 ヤン・ゼレズニー CZE 2001年8月
92m61 Sergey Makarov RUS 2002年6月
92m60 Raymond Hecht GER 1995年7月
92m42 ヤン・ゼレズニー CZE 1997年5月

やり投げも陸上競技の他の投てき種目と同様に旧ソ連、旧東ドイツ等が強い種目だった。
他の投てき種目と異なるのは、1986年にやりの重心を変えたのだ。

1985年に東ドイツにウーべ・ホーンという怪物が現れ、104m80という驚異的な世界記録を出した。
これでは他の種目に出場している選手が危険であるとして、10%程度記録が落ちるようにやりの重心を変えることになった。
そのため、1985年以前の記録は、現在の世界歴代ランキングには出てこない。

ゼレズニーは身長183センチ、巨人が揃うこの競技にしては小柄の部類だ。
アトランタ五輪で優勝すると、洒落でアトランタブレーブスの入団テストを受けることになった。

ヨーロッパの人間にとって、普通は野球なるスポーツには一生関わることはない。
ゼレズニーもマウンドからボールを投げるとき、肘を畳むということができなかった。
それでも136キロのスピードを出した。
これを凄いと見るかは難しいところだが、ハンマー投げの室伏広治が、ボールを鷲づかみにして投げた速度が138キロだったそうだから、投てき競技金メダリストの球速はこんなものらしい。

ただ、ゼレズニーはホームベースからスタンド中段に叩き込む135mの大遠投を軽々とやってのけたという。
ブレーブスと契約するというはなしもあったそうだが、野球のルールが難解すぎて、断念したと聞いている。

●2006年欧州選手権
1.Andreas Thorkildsen(NOR) 88m78
2.Tero Pitkamaki(Fin) 86m44
3.ヤン・ゼレズニー(チェコ) 85m92
*日本記録87m60 溝口和洋(1989)
溝口氏の日本記録は当時世界歴代2位の記録で、17年間破られていない。

●参考記事
オリンピック4連覇

五輪招致史の正体 Kindle版
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