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October 27, 2006

北京オリンピック 米国NBCテレビの圧力に屈する

国際オリンピック委員会(IOC)は26日、理事会が08年北京五輪の競技日程を最終承認したと発表、競泳全種目の決勝と、体操の団体総合、個人総合の決勝は午前中に実施されることになった夏季五輪の決勝は開催地の午後から夜にかけての実施が通例となっているが、米国向け放送権を持つ米NBCテレビが人気競技の競泳、体操については北米地域でのゴールデンタイムとなる北京の午前中の決勝実施を要求。国際水連や一部選手は反対していたが、北京五輪に約9億ドル(約1080億円)の放送権料を支払うとされるNBC側の要求をIOCがのむ形となった。北京で26日に会見したIOC北京五輪調整委員会のフェルブルッゲン委員長は「IOCが特定の放送局の要求に屈したのではないことを強調しておく。ソウル五輪(1988年)など過去にも同様のケースはあった」と述べた。IOCのフェリ五輪統括部長は「関係者すべてが合意した。(午前実施に)反対していた国際水連も最終的にノーと言わなかった」と話した。IOC理事会は持ち回り審理で26日までに承認。それを受け、全28競技のスケジュールについて北京五輪組織委員会と合意した。競泳決勝と体操の団体総合、個人総合の決勝は午前10時(日本時間同11時)、注目のマラソンは女子が815日の午前7時半(同8時半)、男子は24日の午前8時(同9時)のスタートとなる。(共同通信)

莫大な放送権料を払うテレビ局がスポーツの開始時間にも介入する。
先のドイツW杯で、日本代表の試合時間を巡って物議を醸したことはまだ記憶に新しいところだが、2年後に迫った北京五輪でも人気競技の実施時間がメディアに押し切られることになった。

五輪運営の鍵を握っているのは、米国のテレビ放送権料だ。
日本人のように夜通しで生中継のテレビかじりついて五輪を観るなんてことをアメリカ人はしない。就寝前にベッドで五輪を見る。これがベストだ。
独占放送権を持つテレビ局は米国時間の夜まで競技結果を放送せず、夜に録画を流す。
インターネットの普及した今日、競技結果を夜まで知らないでいられようがない。
そのためテレビの録画放送は低視聴率にあえぐ。
これを打開する方法が、競技時間を米国に合わせることだ。
アメリカ東部地区の人が、就寝前に五輪中継を楽しむために競泳と体操の選手が犠牲になった形だ。
がNBCテレビはこれによって高視聴率を獲り、放送権料を回収する。

競泳で検証しよう。
2004年アテネ五輪で金メダルを獲った北島康介の200m平泳ぎを例に取る。
予選、準決勝、決勝と金メダルまで3回泳いだ北島のスケジュールは下記のようだった。
8月17日 予選 11時14分
8月17日 準決勝 20時17分
8月18日 決勝 19時30分
(時間はアテネ時間)

これが北京五輪では、かりに8月19日を決勝とすると
8月17日 予選 午後
8月18日 準決勝 午前
8月19日 決勝 午前
のように従来の2日間から3日間になる。
ほとんどの選手が複数の種目、あるいはリレーに出場する中で、ひとつの種目に3日かけることの負担は大きい。
水泳大国の豪州や欧州各国はこの案に反対だったが、IOCに押し切られている。

米国に次いで莫大な放送権料を払っている日本も実は競技時間に圧力を掛けていた。
男女のマラソンを週末にしろ!と。
その結果女子は2008年8月15日金曜日 8時半~(日本時間)、男子は8月24日日曜日 9時~と決まった。
女子は、金曜日であるが、旧盆であるので高視聴率が獲れるであろう。

振り返れば、高橋尚子の金メダルに沸いたシドニー五輪の女子マラソンは2000年9月24日、日曜日だった。
テレビ朝日での生中継の視聴率は関東地区で早朝からの中継ながら、平均視聴率40.6% 瞬間最高視聴率59.5%という高視聴率を獲った。
アテネ五輪で野口みずきが金メダルを獲ったときも、日本時間の8月23日月曜日0時スタートだったにも関わらず、平均19.2%、ゴール時の瞬間最高視聴率は深夜にもかかわらず29.2%だった。

●参考記事
テレビ放映権は8年間で27倍 電通はW杯にとって パートナーなのか それとも敵なのだろうか?

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Comments

・・・。やっぱりダメだったんですね。
残念です。

でも8月に開催するのだってバカンスシーズンをあてにしての措置ですし、文句は言えないのかも。

いやしかし、、、腹が立つ。

Posted by: やぎ | October 30, 2006 at 09:57 PM

やぎさま

ご無沙汰です。

ぼくは、夜中にテレビにかじりついて応援するのこそが、
オリンピックだと思うんですよね。

ほんとに残念ですね。

Posted by: 管理人 | October 30, 2006 at 10:56 PM

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