日本のテレビ局 女子マラソンの日程に圧力 北京五輪
共同通信によると2008年北京五輪ので注目される女子マラソンが、当初の8月15日金曜日から17日日曜日に変更された。
IOCの要請を受けた国際陸連(IAAF)が理事会で承認した。
男子マラソンは五輪最終日の24日で変わらない。
先に発表されていた、女子マラソンの日程は旧盆でもある8月15日(金)午前7時半(日本時間同8時半)スタートの予定だったが、日本のテレビ局が圧力をかけ日曜午前の実施を求めた結果、日程が変更された。
これにより、マラソンは男女とも日本の視聴者とって都合のいい日曜午前のレースとなった。
2年後の北京五輪では、高額の放送権料を支払う米NBCテレビの要望で、競泳全種目と体操の団体総合、個人総合の決勝が異例の午前実施となった。
北京時間の午前は、米国東部の夜にあたり、米国市民は寝室で競泳と体操を観てから寝ることができる。
これに対して欧州などの公共テレビが加盟する欧州放送連合(EBU)は10月30日、競泳、体操の決勝の午前中に実施に抗議、「開催地がどこであろうと決勝は夜に行う伝統を途絶えさせるものだ。欧州や世界の多くの視聴者には迷惑だ」と指摘した。
この抗議に対しIOCは翌日、EBUの主張を却下。
「日程の決定は放送局、選手、競技団体などの意見を聞いた上で、理事会に諮られてのもの。最終的だ」と述べた。
一方、アジア太平洋放送連合(ABU)会長を務める橋本元一NHK会長も、「アジア・太平洋地域の各国は開催地の近隣であるにもかかわらず、最適な時間帯で中継を視聴できない」としてIOCに抗議していたが、日本自らがマラソンの日程を動かすという強硬に出たわけだ。
とはいうものの、女子マラソンが金曜から日曜に変わったことで迷惑を被る国やテレビ局はないのではないか?
曜日の変更であり、日程的には変わっていない。
三段跳びの世界記録保持者で敬虔なクリスチャンであるイギリスのジョナサン・エドワーズは、1991年の世界陸上東京大会では、競技日が日曜日だったため「日曜日は、お祈りの日だ」と競技に出場しなかった。(その後1993年から考え方を変えている。)
ラドクリフは、敬虔なクリスチャンだろうか?ジョナサン・エドワーズ以降、日曜日に競技をしない選手を見たことはない。
1996年以降の五輪のマラソン他の視聴率を挙げてみた。
近年の五輪は、女子マラソンが、サッカーと並ぶキラーコンテンツであることはいうまでもない。
1996年アトランタ五輪
①男子マラソン 43.0% 1996年8月4日(日) 19:20~NHK総合
②女子マラソン 36.6 1996年7月28日(日) 19:30~TBS
時差の関係で男女のマラソンが日本時間の日曜夜になり、高視聴率をマーク
2000年シドニー五輪
①サッカー男子準々決勝 日本×アメリカ 42.3% 2000年 9月23日(土) 18:58~NHK総合
②女子マラソン 40.6% 2000年 9月24日(日) 6:45~テレビ朝日
サッカーは32年ぶりのベスト4ならず、マラソンはご存知高橋尚子金メダル!
2004年アテネ五輪
①柔道女子48キロ、男子60キロ級決勝 31.5% 2004年8月14日 22:00~NHK総合
⑩女子マラソン 19.2% 2004年8月22日 22:54~TBS
柔道は谷、野村がダブル金メダル、マラソンは野口みずき金メダル
●参考記事
北京オリンピック 米国NBCテレビの圧力に屈する
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