中国選手がドーピングで大量メダル剥奪 1994年広島アジア大会
1994年のアジア大会は、広島市で行われた。アジア大会が首都以外で開催されたのは初めての大会でもある。
広島市は1990年の開催を希望していたが、北京市も90年を希望、投票になったら確実に負けるとみられた広島市が譲歩し94年大会立候補に変更、90年北京、94年広島開催が一度に決定した。
中国が競泳を中心に圧倒的な力を見せつけ、メダル争いでも日本、韓国の2倍以上の金メダルを獲得した。
と思われたが、中国選手にドーピング違反が発覚する。
中国選手によるドーピング事件は、94年の国際スポーツ界の10大ニュースでもトップランクにあげられるほど衝撃的なもので一度に一つの国から11人という前代未聞の大量違反、体内のホルモンを操作して禁止薬物をす「毒消し」の手法など、その後のドーピング対策の在り方に大きな課題を投げかけた。
この11人全員は6か月から4年の出場停止処分を受け、広島大会で獲得した競泳、陸上、自転車、カヌーの4競技で 金15、銀7、銅1 のメダルが剥奪された。
ドーピングクロが確定する前に中国紙は、メダル争いで3位に終わった日本が2位に上がりたいがために仕組んだとも報じたのだから恐れ入る。
かつて東ドイツで行われていた薬物使用は、国威発揚を意識したスーパーマン作りが目的だった。
が、この当時の中国は、アジア大会で金メダルを獲ることがコーチ、選手にとってその後の生活保障につながることが目的だったようだ。
さらに近代スポーツにおける先進国の作りだした倫理観を持ち合わせていない中国を世界にアピールすることになった。
大会終了直後のメダル獲得数
順位 |
国名 |
金 |
銀 |
銅 |
1 |
中国 |
137 |
92 |
60 |
2 |
韓国 |
63 |
68 |
80 |
3 |
日本 |
59 |
68 |
80 |
4 |
カザフスタン |
25 |
26 |
26 |
中国選手のメダル剥奪後のメダル獲得数
順位 |
国名 |
金 |
銀 |
銅 |
1 |
中国 |
125 |
83 |
58 |
2 |
日本 |
64 |
75 |
79 |
3 |
韓国 |
63 |
56 |
64 |
4 |
カザフスタン |
25 |
26 |
26 |
なお、1994年はサッカーW杯でディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)からコカインが検出され、15か月の資格停止を受けた年でもある。
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Comments
「姜萬守」でググッたら、こちらにたどり着きました。
バレーの投票、懐かしい人ばかりです。
ただちょっと残念なのが、あの猫田さんと、世界最強の名セッターだったザイチェフ(ソ連)がないのが残念でした。投票は姜萬守にしましたがね。
Posted by: BAKU | December 02, 2006 08:10 AM
BAKUさん
コメントありがとうございます。
歴代の名選手を20余人に絞るのは難しいです。
勘弁してください。
姜萬守氏も日本で絶大な人気が出たこともあったのに
意外と票が伸びなかったですね。
Posted by: 管理人 | December 04, 2006 11:19 AM