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December 14, 2006

ドーハも2016年五輪招致へ 東京に勝つ根拠

カタール五輪委員会のサーニ事務総長は11日会見し、東京都が開催を目指している2016年夏季五輪の招致に乗り出すことを明らかにした。今大会については、「ドーハを訪れた国際オリンピック委員会(IOC)委員の評価も高く、現在金メダル数で8位と成績も挙げている」と、16年五輪招致の成功を後押しするとの自信を示した。事務総長は「カタールは、東京とマドリードが降りた2011年世界水泳の最終2候補に残っている。今後多くの競技大会を開催することで、五輪レベルの運営能力が十分あることを証明する」と、国として全力を尽くすことを示唆した。(読売新聞)

カタールは人口約84万人、東京の世田谷区と同程度の人口しかない。面積は11,437km²というから秋田県並しかない。
いわばアラビア半島の先にある小国に過ぎない。
この国が五輪の開催能力があるのだろうか。

このドーハアジア大会の開催の決まったのは2000年11月12日、釜山で開かれたOCAの総会だった。
立候補していたのはドーハのほか、ニューデリー(インド)、クアラルンプール(マレーシア)、香港(中国)の4都市。

総会に出席した41カ国・地域の投票で行われた。
1回目の投票でまず最低得票のニューデリーが脱落。2回目でドーハが過半数を得て、開催地に選ばれた。なお各都市の得票数は公表されなかった。
香港が本命、対抗がクアラルンプールといわれ、香港招致団はジャッキー・チェンを釜山入りさせていたものの、まさかの結果となった。
ドーハの勝因は、数で勝る西アジア諸国が結束したこと。
32年ぶりのアジア大会の西アジア地域開催を実現させた。

カタールは、天然ガスや石油資源に恵まれ、豊富な資金力を背景に、競技施設を整備、選手の育成体制も整えるなどスポーツ振興に力を入れてきた。どの競技場も素晴らしい施設だ。
とはいえ、人口84万人の国だからか、各競技場ともガラガラだった。
それでも後半に入って格闘技を中心に、かなり埋まっている会場も増えてきた。

陸上競技等を見た方は気づいたろう。
カタール代表(その周辺諸国もそうなのだが)の選手の多くがケニヤなどのアフリカ出身の選手なのだ。

今大会の目玉の選手に3000m障害カタール代表のサイフ・サイード・シャヒーンという選手がいた。
結局アジア大会はケガで欠場したが、2003年、2005年の世界陸上で同種目に連覇をした選手だ。
元々の名前はスティーブン・チェロノ、2003年8月まではケニア国籍だった。
アジア大会開催を控えて、強い選手を探していたカタールの目に留まり03年世界選手権の直前に、カタール国籍を取得して金メダルを獲得。05年でも連覇を果たした。
ケニヤからカタールへの移籍金は100万ドル、加えて1000ドルの月給があり、練習拠点はケニアに置いたままだという。

エメルソンを覚えているだろう。
浦和レッズに在籍していたエメルソンが、カタールリーグのアルサドに所属している。
スペイン代表キャプテンだったイエロ、アルゼンチン代表だったバティストゥータもプレーしたリーグだ。
読売新聞にこんなエメルソンのインタービューが載った

 ――スタジアムの雰囲気は?
 「Jリーグで毎試合、大勢のサポーターが見守っていた中とは全く違う。こちらでは最高でも約1000人で、100人くらいの日もある。でも僕はプロだから、闘志はサポーターからもたらされる。だから、皆が喜んでもらえるよう、そして少しでもスタジアムに足を運んでもらえるように頑張っている」
 
――日本を離れて1年たったが、今から振り返って、日本の環境をどう思う
 「サッカーに関しては素晴らしい。Jリーグについては、何も言うことはない。すべてがパーフェクトだった」
 
――カタールへ帰化するつもりはあるのか?
 「帰化するためには、まず私や家族が、本当にこの国になじめるかを考えなくてはならない。そして、カタール側にとっても、僕の帰化がいいことなのかどうかを考える必要がある。後は『神のみぞ知る』かな
……

トルシエがカタール代表監督だったときに、全くカタールに縁もゆかりもないブラジル人にカタール国籍を取得させ、代表に加えようとしたことがあった。
FIFAに説得されて断念するのだが、エメルソンのカタール代表もあるかもしれない。(ただ、彼はU19ブラジルの経験があるのでだめだという説もあるが・・・)

カタールは潤沢な資金でスポーツ環境を急速に整えつつある。
結束の固い中東諸国のほかに他の大陸のイスラム諸国の支持が加われば、五輪招致は決して無茶なはなしではない。
一方の東京、4回目の日本の五輪招致にアジア諸国が支持しているか疑問だ。
ドーハと東京の時差は5時間、それに比べてドーハとパリの時差は2時間しかない。
ヨーロッパ諸国から一定の支持があれば東京に勝るかもしれない。

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