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April 11, 2007

PUMA買収される

フランス小売り業大手のPPR社は10日、ドイツのスポーツ用品プーマ社(PUMA)を買収すると発表した。
買収総額は53億ユーロ(約8450億円)。
PPRは、高級ブランドのグッチ、イヴサンローランなどを傘下に持ち、世界的に知名度の高いプーマをグループに加え、ブランド戦略を欧州、アジアなどで幅広く国際展開する模様。
プーマの世界売上高は約23億7000ユーロ(3800億円)で、米ナイキ、独アディダスに次ぐスポーツ用品世界3位。

よく知られていることだが、ドイツの二大スポーツメーカー アディダスとプーマの両社はともにダスラー兄弟によって設立されている。
もともと兄弟で靴つくりをしていたが、兄弟の確執から別れ、兄のアディがアディダス、弟のルドルフがプーマを作った。

先述のように世界的な売り上げではアディダスがプーマを上回るが、昨年のドイツW杯出場国における契約数をみるとプーマがアフリカ代表5か国を含む12か国に代表チームのユニフォームを提供し、ナイキの8か国、アディダスの6か国を押さえていた。

PUMA 12カ国
イタリア、チェコ、スイス、ポーランド、コートジボワール、アンゴラ、チュニジア、ガーナ、トーゴ、サウジアラビア、イラン、パラグアイ

adidas 6カ国
日本、フランス、スペイン、ドイツ、トリニダード・トバゴ、アルゼンチン

NIKE 8カ国
ブラジル、アメリカ、メキシコ、クロアチア、ポルトガル、オランダ、オーストラリア、韓国

アルミン・ハリー
プーマと契約し、初めて五輪で金メダルを獲ったのは1960年ローマ五輪陸上男子100mのアルミン・ハリー(西ドイツ=当時)。
ベルリン五輪4冠王のジェシー・オーエンス、後年のカール・ルイスと並び陸上短距離史に名を残す大ランナーである。

とにかく反応時間~スタートの合図を知覚して実際に走り出すまで~が早く、史上最短ではないかといわれている。
100mのベストは手動計時による10秒0だったが、ハリーが活躍していたのは今から50年近く前。
現在のシューズ、ウエア、トレーニング法がハリーの時代にあったら、9秒7台が出たという人もいる。

このアルミン・ハリー、元々アディダスを使っていたのだが、ローマ五輪決勝前にアディダスに金銭を要求した。
アディダスに断られるとプーマに話を持って行き優勝。
表彰式を前に再びアディダスのシューズを履くからと、アディダス側にも金銭を要求。
アマチュアリズムの徹底していたこの時代に驚くべき商才を発揮した。
ローマ五輪から20年目の1980年には、320万マルクの詐欺を働き、18ヶ月の執行猶予を受けたという記録も残っている。

ローマ五輪100m決勝のビデオはここで見ることができる。
確かに速い。

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