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June 26, 2007

9メートルを超えていたルイスとパウエル

今夏、大阪で世界陸上が開催される。
日本開催は1991年の東京大会以来2度目。
東京大会が盛り上がったのは男女のマラソンで日本人選手がメダルを獲ったこともあるが、カール・ルイスというスーパースターがいたおかげだ。

100mで9.86の世界記録を作ったカール・ルイスの 走り幅跳びの金メダルを阻んだのはマイク・パウエルだった。
8m95の世界記録というおまけがついた。

当時の走り幅跳びの世界記録は8m90。1968年のメキシコ五輪での記録だ。
メキシコシティは2400mの高地で、100m、200、400mなど短距離にはとんでもない記録が生まれている。
要するに空気が薄く、抵抗が少ないわけだ。一方、マラソンや長距離は負担が大きい。
メキシコ五輪の走り幅跳びで金メダルを獲ったのはボブ・ビーモン。
8m90は、それまでの世界記録を55センチ上回る大記録で、20世紀中は破られないといわれていた。

この不滅の記録を超えたのがパウエル。
2位に終わったルイスも8m87の世界歴代3位の記録だった。
このパウエルの跳躍、実測では2回連続して9mを超えていたと、日本陸連のバイオメカニクス研究班が大会直後に発表している。

ルイスに3回目までリードされたパウエルは4回目に大ジャンプを飛ぶも惜しくもファウルだった。研究班の調べによるとファウルはわずか1cmで着地したのは9m01。
実測9mの大ジャンプとなる。
続く5回目に8m95の世界新を跳んだが、このときはファウルラインの5cm手前で踏み切っており、再び実測9mの大ジャンプを披露していたことになる。

一方、走り幅跳びに五輪4連覇したカール・ルイスだが、五輪でのベストはソウル大会の8m72。
とはいうものの踏み切りラインの18㎝前からの踏み切っており、実測8m90になる。
まあ、ルイスの全盛期には30フィートは跳んだなんてはなしもある。
30フィートといえば9m14。
ビデオで見たことがあるが、ファウルと判定され、さすがのルイスも「なんで~」ってジェスチャーしてた。

さて、昨日まで開催されていた全米陸上の男子走り幅跳びはアテネ五輪金メダリスト(8m59)で世界王者(8m60)のドワイト・フィリップスが追い風参考ながら8m36で3年ぶりに制した。
大阪が楽しみになってきた。

1991年 東京世界陸上 男子走り幅跳び
       〈1〉  〈2〉  〈3〉 〈4〉  〈5〉  〈6〉  
パウエル  7.85 8.54 8.29   ×  8.95  ×   
      +0.2 +0.4 +0.9     +0.3   

ルイス   8.68  ×  8.23W 8.91W 8.87  8.84 
       0       +2.3 +2.9  -0.2 +1.7 
   (Wは追い風参考。風は+2.0まで許容範囲、単位m)

●参考記事
オリンピック4連覇

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Comments

詳細な記事、いつも楽しく拝見させてもらってます。

今回の「実寸○○メートルは跳んでいた」について。
個人的な意見ですが、パウエルが実寸9メートルを跳ぼうがファウルなら何ら価値がないと考えます。幅跳びというのは踏み切り版に足を合わせて跳ぶ競技なので。いかに減速を抑えて調整するか、これもあわせて競う競技なのです。

助走の精度がそう高くないまま一か八かのヤケクソでフルスピードのまま突っ込んで、ファウルとなり、結果的に実寸9メートルを超えていた…。だからどうしたということです。
踏み切り版を無視した跳躍なら、親切にも踏み切った地点から測定してくれる小学生の幅跳びと同じレベルです。

8.95のベスト記録が世界記録のパウエルですが、彼の2番目の記録はいくつでしょう。正確な情報は知りませんが、彼が80台を出した記憶はなく、70台ももしかしたらないのでは??そうなるとそれまでの自己ベスト8.66が該当してしまう気がします。でなくてもこの8.66はかなり上位に現れるでしょう。
やはりどうしても一か八かの跳躍が運よくはまった感は否めないのです。

ルイスの幻の30フィートは、彼の自伝にも出てきますね。踏み切り版に痕跡は残っていなかったのにファウルとされたと。彼ほどの選手が自伝に書くぐらいですから詳細な映像をこの目で確認してみたいものです。


Posted by: 朝原 | July 02, 2007 at 08:53 PM

朝原様
コメントありがとうございます。

>今回の「実寸○○メートルは跳んでいた」について。
>個人的な意見ですが、パウエルが実寸9メートルを跳ぼうがファウル
>なら何ら価値がないと考えます。幅跳びというのは踏み切り版に足を
>合わせて跳ぶ競技なので。いかに減速を抑えて調整するか、これもあ
>わせて競う競技なのです。

おっしゃられること尤もだと思います。
この9m云々の記事については、
果たして走り幅跳びでどのくらいまで記録は伸ばせるものなのか?9mは可能か?
という疑問から書いたものです。
結果ファウルであったが、ルイスやパウエルは9m級のジャンプを跳んだことがあるという内容です。
昨日の100mの追い風参考を含めたランキングもそうです。条件が緩くなると人類の限界はどこまで伸びるか?がテーマです。
記録の好きな素人の趣味と思ってください。

パウエルの東京世界陸上を除くベストは8m70です。
また、ペドロソには幻の8m96というのもありましたね。

Posted by: 管理人 | July 03, 2007 at 10:31 AM

あ、すみません。少々強めな表現になってしまい申し訳ありませんでした。記事内容は大変興味深く楽しんでおります。

やはりパウエルのセカンドベストはそのぐらいでしたか。
今後も様々なデータを楽しみにしております。

Posted by: 朝原 | July 03, 2007 at 11:41 PM

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