やっぱり電通が牛耳る世界陸上
8月25日からの大阪世界陸上を前に盛り上がりに欠ける点を心配する輩がいる。
どちらかというと陸上競技に精通した人たちだ。
16年前の東京世界陸上も開幕前はあまり話題にならなかったが、大きな盛り上がりを見せ閉幕した。
当時ホストテレビ局だった日本テレビの全社員に、金一封50,000円が配られた。これをみても大成功だったことがわかるだろう。
今回はどうだろうか。
楽観視する人もいる、なぜなら電通が付いているからだ。
●IAAF世界陸上2007大阪大会 組織委員会 理事・監事
最高顧問 森 喜朗 財団法人 日本体育協会 会長
最高顧問 御手洗 冨士夫 社団法人 日本経済団体連合会 会長
名誉会長 青木 半治 財団法人 日本陸上競技連盟 名誉会長
理事(会長) 河野 洋平 財団法人 日本陸上競技連盟 会長
理事(副会長) 井上 弘 株式会社 東京放送 代表取締役社長
理事(副会長) 太田 房江 大阪府知事
理事(副会長) 下妻 博 社団法人 関西経済連合会 会長
理事(副会長) 關淳一 大阪市長
理事(副会長) 帖佐 寛章 財団法人 日本陸上競技連盟 名誉副会長
理事(副会長) 俣木 盾夫 株式会社 電通代表取締役会長
(以下略)
大阪大会の役員の一覧抜粋だ。
森元首相が最高顧問としてトップにいて、キャノン会長である御手洗氏がその次だ。
森氏は自民党文教族のドンにして日本体育協会会長、御手洗氏は経団連会長いわゆる財界総理である。
注目すべきは 理事(副会長)のポストにある俣木盾夫氏 電通の代表取締役会長だ。
日本で世界陸上の独占中継をしているのはTBS、1999年セビリア大会からだから5回目になる。
IAAF国際陸連とTBSが直接交渉したのは最初の99年分だけ、以後は電通が窓口になっている。
1999年に電通は国際陸上競技連盟(IAAF)主催の全47大会の2000―2009年の10年分の国内放映権を、一括して獲得した。その額は金額は80億―90億円(推定)。放送権は地上波に加え、衛星、ケーブル、ラジオも含んでいる。
電通はスポーツの放送権を長期で獲得し、国内で転売するビジネスを強化している。
商社のように放送権を転売することによって儲けを出すしくみだ。
世界陸上は奇数年に開催される。偶数年の夏季五輪やサッカーW杯が開催されない年にいかに稼ぐか、を考えてのことだ。
電通が持っているIAAF主催の国際大会の権利は世界陸上以外には以下がある。
世界室内陸上選手権
ワールドカップ陸上大会
世界ジュニア選手権
世界ユース選手権
グランプリ・ファイナル
世界クロスカントリー選手権
世界ハーフマラソン選手権
ワールドカップ競歩選手権
IAAFにとってみれば売りにくい商品を抱き合わせにして一括で売っている訳で、こうした大会は実はTBSで誰も見ていない日曜の深夜などに放送されている。
昨年2006年3月には読売新聞にこんな記事が載った
広告大手、電通は18日、サッカーワールドカップ(W杯)の2010年南アフリカ大会と14年の大会(開催地未定)に関するアジア地域(日本を除く)での放映権を獲得したと発表した。国外での放映権取得は初めて。国内分はすでに昨年3月に獲得している。
(中略)
07~14年に行われるFIFA主催のすべての大会の放映権も含まれている。契約金額は公表していない。対象となるのは、テレビ、ラジオ、インターネット、携帯電話に関する分野。
1999年に電通がIAAFと契約したときには明記されていなかったインターネットさらには携帯電話とはっきり明記されていることに注目である。
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