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November 27, 2007

中国出身者ばっかり 卓球世界ランキング

FIFAのブラッター会長が、先日の2010年W杯予選の組み合わせ抽選会を前に「ブラジル人の帰化はもう終わりに、対策を講じる必要がある」と語ったことが伝えられた。
選手の国籍変更、特にブラジル人の国籍変更について、注意しなければ、ヨーロッパだけでなくアジアにもアフリカにも、ブラジル人が押し寄せてしまうと危惧しているのだ。

日本代表を見ても古くはネルソン・吉村(故人)、ラモス瑠偉、呂比須ワグナーから田中マルクス闘莉王まで多くのブラジル出身者が日本国籍を取得して日本代表入りをしている。
この傾向は世界的のようだ。
多くの優れた人材を抱える国から、乏しい国に人材が流れるのは他の種目でも同じだ。
アメリカ出身のバスケットボール選手は、多くの国でプレーしその国の国籍を獲っている。
長野五輪のときに多くの日系カナダ人がアイスホッケーの日本代表入りをした。
とはいうものの、卓球の中国人ほどこれが甚だしいものはない。

2007年11月現在の女子の世界ランキングの抜粋である。
上位10人中、中国籍が5人、香港2人、シンガポール2人、日本1人だが、香港、シンガポールの選手はいずれも中国からの帰化者であるため、実際には中国9、日本1となる。
福原愛は中国(系)を除くと世界一となる。
上位20人までみてもオランダ、オーストラリア、アメリカ、ドイツの選手が中国出身。
中国(系)17、日本2、韓国1という凄さだ。

●卓球女子世界ランキング
1.張怡寧 中国
2.郭躍 中国
3.王楠 中国
4.郭炎 中国
5.李暁霞 中国
6.リ・ジャウェイ シンガポール
7.姜華君 香港
8.王越古 シンガポール
9.帖雅娜 香港
10.福原愛 日本
11.林菱 香港
12.牛剣鋒 中国
13.金璟娥 韓国
14.リー・ジャオ オランダ
15.リュウ・ジャ オーストリア
16.スン・ベイベイ シンガポール
17.高軍 アメリカ
18.平野早矢香 日本
19.呉佳多 ドイツ
20.福岡春菜 日本
29.金沢咲希 日本
43.藤井寛子 日本
48.樋浦令子 日本
50.藤沼亜衣 日本

29位の金沢咲希は、実は中国河北省出身の帰化選手。
かつての名は満麗であり、04年7月に日本に帰化している。
日本男子で世界ランク23位の韓陽(遼寧省出身名前はそのまま)、57位の吉田海偉は河北省出身で、2人とも中国からの帰化選手だ。

かつて、小山ちれ、新井周、偉関晴光といった中国からの帰化選手が日本代表で活躍したが、北京五輪を控え帰化選手のモチベーションも高くなっている。

世界の卓球強国の中で、唯一中国出身者がいなかったのが韓国。
ところが、韓国の実業団でプレーしそのまま韓国人と結婚した選手など、3人の女子選手が韓国籍を獲ったという。
代表レベルではまだいないようだが、時間の問題だろう。

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Comments

卓球マニアのやぎです。
卓球の世界ではもう当たり前になったので、サッカーの帰化選手の話題から卓球の話題にはつながらなかったのですが、確かにこれはやり過ぎですね。
卓球が興業として成り立つ国が中国しかないので仕方がないと言えば仕方がないのですが、かつて世界一の強国であった日本はもうちょっと何とかして欲しいという想いは常にあります。
理想を言えばかつて中国がやったような、卓球という競技を根本から分析し直して自分流を構築して欲しいとは思いますが、新しいスタイルは常に中国から生まれている現状では、難しすぎる注文なんでしょうね。

この辺はまたまとめて書きます。

Posted by: やぎ | November 28, 2007 02:57 PM

今までは中国に気兼ねしていたのと、即戦力の卓球選手が欲しいのと理由で中国選手の海外流出が増えていたと思います。国際卓球連盟が北京五輪後には何らかの手を打つのではないかと期待しているのですが。

バスケットでは、帰化者及び二重国籍者は代表チームにひとりといった規定があったはずです。

卓球マニアだったのですか?
是非いろいろ教えてください。

Posted by: 管理人 | November 29, 2007 10:52 AM

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