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December 13, 2007

クウェートの王子が牛耳るハンドボール

スポーツの世界で権力を持ち、自国に有利になるようなりふり構わずしたいことをする人がいる。
例えば某自動車メーカーのC氏、例えば徳川の血を引くM氏、でもこの二人よりも凄いかもしれないのがこの人だ。

その人とはクウェートの王子ファハド氏だ。

彼がその名を世界に轟かせたのは、1982年のスペインW杯。
クウェートは1カ国のアジア代表として出場し、予選グループD組で優勝候補のフランスと対戦した。
アラン・ジレスのゴールが決まると、クウェート王子が競技場に乱入、審判に猛抗議してシュートを取り消しにするという事件を起こした。

この王子が現在牛耳っているのはハンドボール。
アジアハンドボール連盟の会長をしている
アジアの男子の実力は韓国>日本>クウェートというのが順当なところだと思うが、クウェートの王族で事実上支配するアジアハンドボール連盟は審判員の選択を独断で決め、主要国際試合でクウェートが勝つように仕組んでいるのだ。
15年くらいこの状況は続いているが、この偏った審判を「中東の笛」と呼んでいる。

北京五輪の出場権を掛けたアジア予選が今年9月に豊田市であった。
その結果

1位 クウェート(4勝)北京五輪出場権獲得
2位 韓 国(3勝1敗)北京五輪世界最終予選出場権獲得
3位 日 本(2勝2敗)
4位 カタール(1勝3敗)
5位 UAE(4敗)
となった。

開催国である日本ハンドボール協会は「五輪がかかる大事な試合の笛は中立国の欧州から招待した審判に吹いてもらいたい」と求めたが、アジア連盟はこれを無視。
韓国-クウェート戦では、ヨルダン人の審判員が不可解な判定を連発。抗議した韓国人選手が退場処分となった場面もあり、観客席からペットボトルが投げ込まれる騒動になった。実力1位の韓国が不可解な判定の連続でクウェート戦に敗れ、日本も同じようにクウェートに敗れた。
JOCの常務理事も務める日本ハンドボール協会の市原則之副会長は「スポーツの尊厳にかかわる」と訴えたが覆らなかった。

日本協会はこの試合で38回の不正ジャッジを確認し、試合のDVDをIHF国際ハンドボール連盟加盟178カ国に送り、世界にアジアの現状を訴えた。その結果、現在女子の世界選手権の行われているパリで17、18日にIHF理事会の議題として審議されることになった。
日本と韓国はアジア予選の再試合も求める方針だという。

バレーボールW杯での露骨な日本びいき、野球アジア予選での韓国のオーダー変更、遡ればスキージャンプでの日本たたきのためのルール改正もあった。
残念ながら、どのスポーツも公平中立とは限らない。ある程度の政治力はやむを得ないこともある。
これが目に余るほどになると、競技の普及の障害になることに気づくべきだ。

●参考記事
これがジレスのゴールを取り消したクウェートの王子だ

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Comments

> 某自動車メーカーのC氏、例えば徳川の血を引くM氏

これはいったい誰のことでしょうか。
気になって眠れません

Posted by: 舟唄 | December 13, 2007 07:00 PM

なかなかよい質問ですね。

M氏は正確には加賀藩の家老だそうですね。

Posted by: 管理人 | December 14, 2007 07:18 AM

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