長嶋 VS 星野の裏で行われた五輪予選
昨日に続いて視聴率のはなしをしよう。
今月台中で行われた野球の北京五輪アジア予選は記憶に新しいところだが、韓国戦の27.4%という視聴率はプロ、アマ、高校野球を通じても最も高い数字だった。
この予選が仮にアメリカのようにシーズン中に実施されていたらどういった結果になったろうか。
1999年 翌年のシドニー五輪野球のアジア予選は9月に行われた。
シドニーからプロの選手が参加するようになり、日本もパリーグの選手を中心に選ばれた。
9月14~16日、セリーグの優勝を争う巨人と中日のこのシーズン最後の直接対決と、アジア予選の日程が丁度重なった。
15日は祝日、巨人対中日は中盤まで接戦の試合展開、中継はNHKの全国ネットということもあり、29.0%の高視聴率を出した。
一方、同じ日にソウルの蚕室競技場で行われた五輪予選の日本対台湾 はフジテレビの中継で17.8%を記録。
先発したのは19歳の松坂大輔だった。
単純に2試合の視聴率を合計すると、46.8%という高い数字になる。
NHKがスポーツ中継をすると普段その競技に関心のない人も視聴することがある。
また、五輪予選のような特別な試合になると、普段プロ野球を見ない人もチャンネルを合わせる。
そのためこうした数字が出てくる。
結局1999年のセリーグは中日が優勝 監督は星野仙一氏、2000年のセリーグは巨人が優勝(監督は長嶋茂雄氏)するのだが、巨人の優勝の決まった9月24日はシドニー五輪で高橋尚子が女子マラソンで金メダルを獲った日でもある。
シドニー五輪女子マラソンの視聴率は40.6%、高橋尚子のゴール直後の午前9時29分には、59.5%の瞬間最高視聴率を記録した。
巨人がリーグ優勝を決めた同日の中日戦は21.9%。
とはいうものの、翌日のスポーツ紙の一面には長嶋氏の胴上げの写真が並び、高橋尚子はウラ一面に追われた。
高橋の金メダルは午前9時半のはなしで、翌日の朝刊としては鮮度がやや落ちる、そして戦後日本のスポーツ界を引っ張った長嶋氏最後になるかもしれない優勝にスポーツ紙が敬意を表したと筆者は見た。
ビデオリサーチ社によると1999年の巨人戦の平均視聴率は20.3% 2000年は18.5%。今季の2倍である。
今年の五輪予選がシドニーの時と同じような日程だったら、どういった視聴率になっていただろうか。
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