女子バレーの視聴率が悪い だけどアテネ五輪で全世界で最も視聴者が多かったのもバレーボール
バレーボールの北京五輪最終予選は20日、日本がカザフスタンを3-0で破り、3勝目を挙げた。好調そうに見えるが、好調でないのが視聴率だ。
昨日のカザフ戦で14.9%、3戦の中ではこれが最高で、いずれも15%に届いていない。
4年前の同時期、同条件で行われたアテネ五輪の最終予選と比べると、その落ち込みようがはっきりする。
●2008年北京五輪世界最終予選視聴率 ○は勝ち×は負け
5月17日 日本-ポーランド 11.8% ○
5月18日 日本-プエルトリコ 13.2% ○
5月20日 日本-カザフスタン 14.9% ○
●2004年アテネ五輪世界最終予選視聴率
5月8日 日本-イタリア 20.6% ○
5月9日 日本-タイ 23.4% ○
5月11日 日本-ナイジェリア 18.7% ○
5月12日 日本-プエルトリコ 23.8% ○
5月14日 日本-韓国 31.9% ○
5月15日 日本-チャイニーズタイペイ 25.2% ○
5月16日 日本-ロシア 28.0% ×
視聴者も馬鹿ではない。
国際大会の日本開催が多すぎで、北京五輪出場も日本に有利すぎ、ジャニーズとのタイアップも飽きてきたということだ。
さらには、裏の事情がネット界に氾濫し、誰でもがそれを見ることが出来るようになったことだろう。
面白い資料がある。2004年アテネ五輪時の、全世界の競技別テレビ視聴者数だ。
五輪期間中世界中で何の競技が最もテレビで見られたか?
普通に考えれば、陸上、体操、競泳が上位に来る。
答えはバレーボール。
●アテネ五輪視聴者数 (公式報告書より)
305,500万人 バレーボール
270,700万人 バスケットボール
255,700万人 陸上
140,200万人 体操
138,500万人 卓球
128,200万人 サッカー
121,000万人 競泳
108,600万人 飛び込み
-80,300万人 柔道
-78,000万人 射撃
-54,300万人 バドミントン
-53,500万人 ハンドボール
-52,200万人 ビーチバレー
-48,800万人 ホッケー
-46,200万人 テニス
-43,000万人 重量挙げ
-42,800万人 ソフトボール
-42000万人 野球
-39,100万人 ボクシング
-34,900万人 自転車(トラック)
-25,900万人 レスリング
-25,900万人 フェンシング
-23,000万人 シンクロナイズドスイミング
-22,500万人 新体操
-21,300万人 アーチェリー
-19,900万人 馬術
-19,700万人 水球
-18,400万人 テコンドー
-18,300万人 ボート
-16,000万人 自転車(ロード)
-15,900万人 トライアスロン
-15,700万人 カヌー(カヤック)
-11,900万人 カヌー(スラローム)
-11,600万人 マウンテンバイク
-9,800万人 セーリング
-4,900万人 近代五種
-3,100万人 トランポリン
バレーボールは世界的に見るとマイナーで、盛んなのは日本とイタリアとブラジルくらい。
だから、世界大会の開催が日本に偏る。
という、ステレオタイプのバレー評が覆るではないか。
種を明かそう。
中国の存在が大きいのだ。
13億の人口を抱える中国は、アテネ五輪で史上最高のメダル争いを演じ、延べ90億人が8時間の五輪中継を見た。
中国女子バレーはロサンゼルス五輪以来20年ぶりに金メダルを獲得した。
そう、中国で女子バレーの金メダルが見たくてチャンネルを合わせた人が多かったということだ。
また、男子バレーはブラジルがイタリアを破って優勝。ブラジルの人口は約2億5000万人。
男子バレーの決勝のテレビ占拠率は70%にも達している。
ブラジルも、バレーボールを1位にした要因だ。
卓球が5位。
ご存知のように中国出身者が世界中に散らばり、打倒中国に燃えるのが現在の卓球世界地図。裏切り者の元中国人を中国選手が叩く、この様子を中国人がテレビで見て溜飲を下げたということだ。
ほかにも飛込みが8位、バドミントンが11位、いずれも中国の得意種目が上位に来ているのだ。
中国一カ国の存在が、ここまで影響する。
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Comments
>裏切り者の元中国人を中国選手が叩く・・・
この文章の件を読んだ時、”裏切り者の元中国人”に最も該当する人物は間違いなく卓球の元世界女王の小山ちれさんですね。
彼女が中国を離れた理由は日本人と結婚(のちに離婚)したのが理由ですがもう1つあります。
まだ彼女の名前が「何智麗」の時代に中国代表として世界女王に輝いた1987年の世界選手権(ニューデリー開催)での”八百長拒否事件”です。
シングルス決勝で対戦する韓国人選手との相性を考慮した中国首脳陣は彼女に同国人対決となった準決勝でわざと負けるように指示。
しかし彼女はそれを無視して準決勝で勝利し、その勢いで見事に優勝。
ただ裏切りの代償は重く翌年のソウル五輪には彼女は代表から漏れ引退をしました。
のちに選手として復帰し1992年に日本に帰化。
日本代表の「小山ちれ」として戦った1994年の広島アジア大会シングルス決勝では五輪女王で当時世界ランキング1位の鄧亞萍との激闘を制して見事に優勝しました。
しかし卓球選手として中国で育てられた選手が他国(しかも日本)の代表として中国選手を倒して優勝した事を快く思わないかつての母国のメディアは彼女を「裏切り者」として報道しました。
その後中国は彼女を徹底的に研究した事もあり、王国の分厚い壁はあと一歩で切り崩す事は出来ず再度世界の頂点に登る事は叶いませんでした。
今思うと彼女はとても誇り高く、強い心の持ち主だと思います。
かつて福原愛との初対戦後のインタビューで「愛ちゃんレベルの子なら中国には何千人もいます」と発言したのは有名です。
それは決して嫉妬や意地悪ではなく世界で最も厳しい競争を勝ち抜きそして頂点に君臨した人間が言わせた重みのある戒めの意味のある言葉だと思います。
Posted by: 中東の太鼓 | May 22, 2008 12:59 AM
>ソウル五輪には彼女は代表から漏れ引退をしました
アトランタで、小山は準々決勝で喬紅(中国)に敗れました。喬紅に勝っていれば準決勝で、小山の代わりソウル五輪に出場して金メダリストになった陳静(中国→台湾)と因縁の対決をしたんですけどね。
Posted by: 管理人 | May 23, 2008 11:28 AM