陸上女子100mの2・3位は史上初の同着
陸上競技は競泳と異なり、これまで同着を認めていなかった。
例えば五輪でも
1980年モスクワ五輪 男子100m
1.アラン・ウェルズ(英)10.25
2.シルビオ・レオナルド(キューバ)10.25
1996年アトランタ五輪 女子100m
1.ゲイル・ディバース(米)10.94
2.マリン・オッテイ(ジャマイカ)10.94
のように同タイムながら、写真判定で順位を決めてきた。
1993年のシュツットガルト世界陸上女子の100mでは、ゲイル・ディバーズとマーリーン・オッティが同時にゴールした。
タイムはともに10秒82であったが、優勝はディバーズ選手と一度は発表された。
ところが、オッティがこれに異議を唱えた。
ここからが大変だった。
審判団が集まり3時間の激論の末、ディバーズが10秒811、オッティが10秒812という1000分の1秒差でディバーズ選手の勝利と改めて発表した。
当時の朝日新聞には「5人の審判員のうち、2人は両者優勝を主張、3人は着差ありという意見」だったとある。
ところが、昨日の女子100m決勝では、シェリーアン・フレーザー(ジャマイカ)が10秒78のタイムで優勝。
シェローン・シンプソンとケロン・スチュワート(ともにジャマイカ)が10秒98の同タイムで2位に入り、ジャマイカ勢が表彰台を独占する結果となった。
恐らくは、2位と3位だから写真判定をせずに同着としたと思われる。
優勝を争う2人だったら、写真判定となったのではないだろうか。
電気計時以降、五輪陸上の100m、200mで2・3位の選手が同着となった初めてのケースである。
その一方、4年前にはこういったことがあった。
2004年6月の陸上日本選手権 女子100mは7連覇を目指した小島(旧姓新井)初佳と坂上香織が史上初めて同着11秒39の2人優勝となった。
この記録はアテネ五輪参加標準B(11秒40)を突破した記録だったが、400リレーが参加資格を満たせず、2人のアテネ五輪出場は見送られた。
The comments to this entry are closed.
Comments