なぜ体操の点数は10点以上が出ているの?
体操で10点満点を出した選手と言えば、コマネチや森末慎二を思い浮かべる人が多いだろう。
ところが、北京五輪で久しぶりに体操競技を見た人は、15点、16点 10点を超える点数が出ているのに驚いただろう。
ところが体操競技の10点満点の採点は、現在は廃止され、点数の上限はない。
このキッカケはアテネ五輪だった。
アテネ五輪の体操個人総合は、アメリカのポール・ハムが金メダルを獲得し、以下金大恩、梁泰栄の韓国勢が続いた。
ところが、韓国は梁泰栄の平行棒の点数が低かったと抗議、ビデオ確認が行われた。その結果、本来10点満点で採点されるところを、9.9点満点で採点されていたことが判明したのだ。
国際体操連盟は誤審を認めたが、順位が変わることはなかった。梁泰栄は、金メダル相当の演技をしていたにも関わらず、銅メダルに終わってしまったのである。
上限を10点としていると、上位陣が小差でひしめくことがある。
アテネのポール・ハムと梁泰栄の平行棒の点数差も、わずか0.125。
点が迫っていることで、梁泰栄のような悲劇が再び生まれる可能性は否定できない。
さらに、アテネでは数人の選手が、計算上は10点を超える高難度の技を披露していながら、評価されていない。これでは真の王者を決めることはできない。
10点満点という上限をなくせば、実力差をそのまま順位化できる。そこで10点満点の採点方法の廃止となったのである。
15点を超えればかなりの高得点となることを目安に観戦すれば、より体操を楽しむことができるであろう。
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Comments
今日の女子団体は予想以上の大躍進で本当に驚きました。
決勝進出するだけでも快挙だと思ってたので今日の決勝は失うものなんて無いのだから伸び伸び演技して少しでも順位を上げてくれれば御の字だと思いましたが、まさか5位にまで上り詰めるとは思いませんでした。
女子はバルセロナ五輪の団体の出場権を逃してからは五輪の舞台にはなかなか立てませんでした。
また1991年には内紛が勃発し協会内で醜い派閥争いを繰り広げました。
(今は大丈夫かな?)
アトランタ五輪も前年の鯖江での世界選手権でこの大会で引退した小菅麻里さんを擁しての出場権獲得だったので地元の恩恵に助けられた印象があります。
長く辛い低迷した時期を思うと北京での若い選手達の活躍は本当に嬉しいです。
さすがに中国、米国、ルーマニア、ロシアの4強とは明確に差はありますが今回の活躍に自信を持って”千恵子ジャパン”(笑)には更なる高みを目指して強化してもらいたいです。
Posted by: 中東の太鼓 | August 13, 2008 06:56 PM
ロシアのセルゲイコーチ、中国の陶コーチよくぞ体操女子チームをここまで引っ張ってくれました。彼女たちもミスをおさえ、負傷せずに頑張ってくれました。しかし5位から12位くらいまでの各チーム間にはそんなに大差はないので、何かの弾みでひっくり返ってしまうでしょう。次の世界選手権が心配です。今回は日本人純血主義の限界を悟って大胆に方向転換して外国人コーチ陣に指導を仰いだ英断が奏功しました。まさに日中露連合軍の勝利です。祝!!団体女子5位入賞。
Posted by: ツシマ | August 18, 2008 12:18 AM
陶コーチのことは朝日の記事にありましたね。
http://www2.asahi.com/olympic2008/column/TKY200711250055.html
また、中国の新聞によると、日本チームを支えるため、子供を上海に返しているそうです。
多くの支えがあって5位入賞を果たしたということですね。
Posted by: 管理人 | August 18, 2008 05:25 PM