一転東京有利 2016年夏季五輪招致
スポーツライターの玉木正之氏が、東京の立候補している2016年夏季五輪について「金曜カフェ」(毎日新聞2008年11月21日付け)で一転東京有利とコメントしている。
今後のアメリカの実体経済の動向を考えると、無事に安全に開催できる都市として、東京の評価がIOC委員の間で高まってきたというのだ。
日本のメディアの見方はシカゴ有利、さらにイリノイ州選出の上院議員だったオバマ氏が次期米大統領に決まると、石原都知事も
アフリカなんぞの黒人国家が親近感を持って、そういう票が雪崩を打って動いたりするとちょっと厄介ですな。
などと感想を漏らしていたにも拘らずだ。
日本政府が、IMF(国際通貨基金)に対して1,000億ドル(約10兆円)を投資する予定があることを発表すると、東京五輪招致委員会のHPにもこんなプレスリリースが出た(原文は英語)。
国際通貨基金(IMF)への日本政府の1000億ドル(USD)の投資は、2016年東京五輪とパラリンピックが世界規模での金融危機の混乱にもかかわらず日本の財政が優位な証拠であると発表した。
IMFへの日本の投資は、明らかに、現在の世界的な経済状況に耐える国の能力を示す。東京は、その信頼できる予算で 世界的な景気の失速の最中であっても、五輪開催が出来る。
このプレスリリースは何故か日本語はない。
近年、日本の金融機関は国際化が遅れ、日本の経済界は米国発の金融危機に対して一様に距離感があり、米国ほどの危機状況にない、のが本当のところだろう。
とはいえ、東京招致に追い風が吹いているのは間違いないようだ。
玉木正之氏の挙げたポイント
・シカゴは世界の先物取引の総本山、ここの不況が最悪。
・身売りを企てているシカゴカブスの買い手が見つからない。
・次期五輪開催地のロンドンも資金不足から選手村の規模を縮小する。
・2014年冬季五輪開催地のソチも経済危機とグルジア情勢から開催を危ぶむ声もある。
事前のインスペクションで、4都市中1位だった東京、都民が盛り上がれば招致が見えてくる。
●参考記事
2016年夏季五輪東京の評価を、2008年北京の評価と比べてみた
東京8.3 マドリード8.0 シカゴ7.0 2016年夏季五輪
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Comments
2016年に本当に五輪が開催できればこんなに良い事はありませんが、政治的には日本が開催する事によるメリットがアメリカなどにどの程度あるかがキーポイントなのではないでしょうか?北京だってそういう政治的背景があって開催が決まったわけですよね。BRICs(ブリックス)のリオデジャネイロがどうなるか、ライバルはリオじゃないですか?
また、一都市規模での開催は本当にそろそろ限界でしょうからFIFAW杯のように一国開催にしなくてはならないのではないでしょうか。
Posted by: 現代史小僧 | November 27, 2008 05:18 AM
玉木氏も指摘していますが、シカゴあるいはアメリカの経済状態は五輪どころではないのでは?
アメリカ発の経済危機に対する欧州の嫌悪感もひどいようです。
さらにテロの不安もありますし。
リオデジャネイロは南米初ということになれば素晴らしいです。
ただ、インフラも不十分、2014年FIFAワールド杯も控えているし。
私は、結構マドリードが強敵?伏兵?かな、とも思っています。
Posted by: 管理人 | November 27, 2008 10:17 AM