国会決議間に合わず 東京五輪招致(追記あり)
2016年五輪の東京開催を目指す招致委員会の代表3人が10日午前、立候補ファイル提出のため成田空港からスイス・ローザンヌのIOC本部に向け出発した。
立候補ファイルの中に、招致委が盛り込みたかった国会決議は間に合わなかった。
五輪やW杯の招致、あるいは万博の際には、政府保証の意味として閣議了解がある。
例えば直近の巨大イベントである2002年サッカーW杯招致の際には、下記のような閣議了解がされた。
W杯の開催は国際親善、スポーツ振興などに大きな意義がある。またW杯についてのFIFAの要求事項の政府の保証については、現行国内法の範囲内での対応で、円滑な開催を図ることができるので、W杯を日本サッカー協会が我が国に招請することを了解する。
なお、政府としては財政改革の推進が引き続き重要な課題であることを踏まえ(1)施設の整備などの公共事業については必要性を十分に検討、通常の公共事業費の中での優先配分により対処し、新たな国の特別な財政措置は講じない(2)大会運営費は適正な入場料の設定などの収入でまかなう――との方針で対処する。
(要旨のみ1995年2月)
W杯のときは、この政府保証をもって、正式な招致活動に入った。
出入国許可、安全対策などから税金まで、W杯開催に絡む政府保証の範囲は広く、日本政府内の関係する省庁は13(当時)にもなり、閣議了解を得るために、そのすべての役所の了解を取っている。
一方、国会決議は、過去の五輪招致の際にいずれもされている。
招致に成功した東京、札幌、長野は全会一致、失敗した名古屋、大阪は多数決という記録がある。
例えば、大阪の際は下記のような内容だ。
「我が国において、東京オリンピック以来となるオリンピック夏季競技大会を開催することは、国際親善とスポーツ振興にとって意義深い」(2000年衆参両議院で決議)
と、大阪市への夏季五輪招致活動の強力な推進と準備態勢強化を提唱した。
2016年五輪を目指す東京にとっては、国会決議は絶対条件ではないが、あればそれだけプラスに働いたことは間違いない。
東京のライバルシカゴは、IOCに提出する「立候補ファイル」を1936年ベルリン五輪で陸上男子4冠に輝いたジェシー・オーエンスの孫のスチュアート氏に託し、12日にスイス・ローザンヌのIOC本部に持参すると発表した。
とはいうものの、実際の立候補ファイルは事前にIOCに送付されるようで、オーエンスの孫のIOC訪問は象徴的なようだ。
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Comments
民主党の反対は名分がないと思います. 東京候補ファイルに政府保証は含まれていることですか?
Posted by: Tokio | February 10, 2009 11:21 PM
Tokio様
東京が提出した立候補ファイルには、政府の保証に関する添付書類が添えられているようです。
中東の太鼓様
政治的なコメントは、お控えいただきますようお願いいたします。
Posted by: 管理人 | February 11, 2009 12:15 AM