シカゴは大丈夫か?(2) トップに五輪経験者がいない
現在のUSOCの会長は、ラリー・プロブスト氏。ゲーム会社を経営していた実業家だ。そして前回のエントリーで書いたようにUSOCはCEOだったジム・シェアが辞任し、ステファニー・ストリータという女性が新たにCEOに就いた。
この人事を巡って、シカゴ五輪招致委員会議長(chairman)のパトリック・ライアン氏が、激怒しているという。
というのもステファニー・ストリータ氏が、全くの五輪の素人らしいのだ。
現在のシカゴ五輪招致チームは、こんな顔ぶれだ。
シカゴ五輪招致委会長 パトリック・ライアン AON(米国有数の保険会社)会長
USOC会長 ラリー・プロブスト 実業家 ゲーム会社経営
USOC CEO ステファニー・ストリータ 実業家 元グリーンベイパッカーズ役員
確かに五輪経験者が、トップに全くいない。
ロサンゼルスタイムス紙によれば、ステファニー・ストリータ氏は100人以上いるIOC委員の25~30人には会ったことがあるそうだが、IOC会長のジャック・ロゲ氏との面識はないとしている。
IOCに人脈がないこの人が、なぜCEOなのか?
では、ほかの立候補都市3都市のトップはどうなっているだろうか。
●マドリード
招致委会長 メルセデス・コーエン
1992年バルセロナ五輪女子ホッケースペイン代表 金メダルチームキャプテン
スペイン五輪委員会会長 アレハンドロブランコ
実業家 元スペイン柔道連盟会長?
メルセデス・コーエンといったら、スペインの国民的ヒロインだ。
日本で言ったら、東洋の魔女の葛西さんにあたる人物?
マドリードの、市民の支持の高いのは、この人の人気もある。
●リオデジャネイロ
招致委会長・ブラジル五輪委員会会長(兼務) カルロス・ヌズマン
東京五輪男子バレーブラジル代表であり現役のIOC委員でもある。
余談になるが、ブラジルのIOC委員には元FIFA会長のジョアン・アベランジェ氏もいる。
FIFAの会長だった人物だから、元サッカーの選手だと思われているが、実は水泳選手。
1936年のベルリン五輪には競泳選手、1952年のヘルシンキ五輪では水球のブラジル代表選手として五輪に出場している。
そして東京だが、
東京招致委会長 石原慎太郎都知事
JOC会長 竹田恒和氏 ミュンヘン・モントリオール五輪馬術日本代表
なお竹田会長は招致委副会長も務めている。
このように元五輪選手が、トップにいないのはシカゴだけで、アメリカの競技関係者は、このあたりを心配しているようだ。
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