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April 13, 2009

IOCの夕食会になんで室伏選手が呼ばれないの?

4月18日に迎賓館で行われるIOC評価委員会を招いての夕食会に、日本のトップアスリートを代表して競泳男子平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介選手、柔道女子63キロ級で五輪2連覇の谷本歩実選手が出席するという。
さらには、夏冬合わせて7度の五輪に出場した橋本聖子・外務副大臣、河村建夫官房長官、塩谷立文部科学相も出席する方向で、東京は石原慎太郎都知事やJOCの竹田恒和会長はもちろん出席する。

えっ、室伏広冶選手は出ないの?

数多くある五輪の競技の中で、仮に格をつけるとしたら、何と言っても陸上競技が1番だ。
歴史、注目度からしても間違いない。
各五輪ごとの日本選手団の名簿を見てほしい、必ず陸上が先頭だから。(ちなみに冬季五輪はアルペンになる)
IOC評価委員会のメンバーを見たって、委員長のムータワキル(モロッコ)、ギー・ドルー(フランス)と陸上金メダリストが2人入っている。

これはIOCが、2016年夏季五輪の競技場の中でも、特に陸上競技が、最適な環境で行うことが出来るかを何よりも重視していることの表れだ。

とすれば、迎える日本のオリンピアンにも、なぜ陸上選手を選ばない?
高橋尚子、野口みずき、室伏広治と3人いる戦後の陸上金メダリストの内、やはり世界的に見ても抜群の知名度を誇るのが室伏広治。
陸上関係者、五輪関係者で室伏を知らない者はいない。
2大会連続メダル獲得の実力も然ることながら、2大会とも他選手のドーピング違反を受けて順位が上がったというクリーンさ、博士号を獲ったという研究熱心さ、彼をおいて日本の顔はないと思うのだが。


先にシカゴ美術館で行われたシカゴの夕食会には、こんな面々が呼ばれてる。

ジェフ・ブラマー(イギリス副総領事)
ナディア・コマネチ、バート・コナー夫妻(元体操選手)
ジョン・カラートン (イリノイ州上院議長)
リチャード・M.デイリー (シカゴ市長)
Jean-Baptiste de Boiseeiere (フランス総領事)
アーン・ダンカン (米国教育長官)
ディック・ダービン (イリノイ州院議員)
マリア・ローザ・フェラー (コロンビア総領事)
Mufi Hanneman (ホノルル市長)
デニス・ハスタート (米下院元議長)
ヴァレリー・ジャレット (オバマ大統領主席顧問)
ジャッキー・ジョイナー=カーシー (陸上七種競技)
シャスティン・レイン (スウェーデン総領事)
ナスティア・リューキン (北京五輪体操個人総合金メダル)
Giambattista Mondada (スイス総領事)
Martin Nesbitt, CEO, PRG Parking Management →素性不明
J.B. Pritzker, Founder & Managing Partner, The Pritzker Group →素性不明
パトリック・クイン (イリノイ州知事)
エリザベス・シック (オーストラリア総領事)
Mona Seouby (エジプト総領事)
Pei-Hwang Shen (台北経済文化代表処
オプラー・ウィンフリー (エンターテインメントパイオニア、および慈善家)

この中に、なぜ台北経済文化代表処のようなややこしい人が呼ばれたのか?

評価委員の呉経国氏(IOC委員)が台湾の人なのだ。
台北経済文化代表処とは、米国と正式な国交のない台湾の領事館にあたるところだ。
呉経国氏は、国際ボクシング協会の会長も務める実力者、台湾の人が国際競技連盟(IF)のトップを務めるケースは非常に稀だ。
呉氏は、対中国穏健派だが、東京の夕食会に中国側(大陸側)の関係者を間違っても呼ばないように。
石原都知事は親台だし、意外と呉氏はキーマンと成り得るのではないか?
さらに付け加えるならば、呉氏は、女子ボクシングの五輪採用を願っている。
女子柔道、女子レスリング強国の日本が協力できることはたくさんありそうだ。

*室伏広治選手は、東京五輪招致委員会の理事でもあります

コマネチについては下記を見てください。
オリンピックの記憶(9) ナディア・コマネチの伝説

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