国立代々木競技場 今むかし
6カ国が参加し、国別で競うフィギュアスケート国別対抗戦が、16・17・18日と東京代々木体育館で行われている。
今日17日は、IOC評価委の27競技会場・予定地の視察に充てられている日だ。
2016年五輪では、代々木競技場も第二体育館と合わせ、バスケットボール、ハンドボールの会場を予定しており、今日はIOC評価委がフィギュアスケートの競技中に視察に訪れる。
迎え入れるオリンピアンは、トリノ五輪金メダリストの荒川静香だ。
国立代々木競技場が正式な名称だが、近年は代々木体育館、代々木第一と呼ばれることが多い。が、かつてはオリンピックプールと呼んでいた。
というのも1964年の東京五輪時は、水泳競技(競泳・飛込み)の会場だったのだ。
当時から、プールだけでなく体育館しても使えるように設計されており、五輪後は、水泳と並んでフィギュアスケート、アイスホッケー、バレーボール、室内陸上、ボクシング等様々な競技が行われてきた。
また、コンサートの殿堂としても知られている。最初に代々木を使ったアーチストは、1983年のチャゲ&飛鳥、外国人では1985年のブルース・スプリングスティーンだ。
北京五輪でイギリスのレベッカ・アドリントンが、女子800m自由形で8分14秒10の世界新記録で金メダルを獲った。
これは、ジャネット・エバンスが18年間持ち続け、不滅となりかけていた8分16分22の世界記録を破るもので、エバンスが世界記録で泳いだのがこの代々木のオリンピックプールだったのだ。
ときは1989年8月、今でこそ、辰巳、習志野、横浜と国際規格のプールが首都圏に3つもあるが、当時は代々木にしかなかった。
ところが、水泳の競技施設としては徐々に老朽化し、1997年頃にその役割を終えた。
それ以降オリンピックプールと呼ばれることはない。
フィギュアの国別対抗戦の昨日の観客は6638人だそうだ。今日は1万人近く入るだろう。
45年前にオリンピックプールとして水しぶきが上がった会場で、フィギュアスケートが行われている。
これも東京五輪のレガシーを、日本人が大事にしているひとコマであると思うが、IOC評価委の皆さんにはどのように映るだろうか。
●参考記事 ジャネット・エバンスの不滅の世界記録 19年目に破られる
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