プーチン・ロシア首相 2016年東京五輪招致協力を約束
来日中のプーチン・ロシア首相が、柔道金メダリストの山下泰裕氏と会談をした。
2016年東京五輪招致に話題が上がり、山下が
「私は14年ソチ冬季五輪を応援する。ぜひ16年東京五輪招致に力を貸してほしい」
と言うと、プーチン氏は
「私にそれを頼んだ日本人はあなたが初めて。力になりましょう」
と約束をしたという。
2014年の冬季五輪は、ロシア・ソチで開催される。
長野五輪のあった1998年大会から開催意思表示を示してきたソチが、16年掛けてたどり着いた五輪である。
評価が最下位であったソチの大逆転は、プーチンの招致演説に寄るところが大きい。
ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して、アメリカ、日本、西ドイツなどがボイコットし、山下が1980年モスクワ五輪に参加できなかったことは広く知られている。
このとき山下は23歳、東海大学を卒業したばかりだった。
一方、プーチンはこのとき27歳。
柔道家であったが、ソ連代表クラスの選手ではなかったようだが、旧ソ連国家保安委員会KGBの対外諜報部員として、平和とスポーツの祭典が国際政治に翻弄される現実を目の当たりにしていたと言われる。
柔道家として、精神面で日本との結びつきがことのほかある人物だ。
プーチンが、2000年にロシア大統領に就任した際には
「柔道を20年以上やってきた。日本の伝統、文化の深さを知る者として、日本を愛さずにはいられない」
と当時の小渕首相との会談で話している。
また、「プーチンと学ぶ柔道」という自著の中では、嘉納治五郎、山下泰裕、姿三四郎を柔道家として尊敬していると書いている。
このプーチンと山下が、初めて会ったのは2003年頃ではないか?
当時の小泉首相がモスクワに行き、プーチン氏が学生時代に柔道の練習に通った「上級総合スポーツ学校」で日露首脳会談が行われたとき、コーチのためにモスクワを訪れていた山下と会っている。
柔道家同士意気投合し、その後も付き合いが続いている。
山下は柔道八段、そしてプーチンは五段である。
2000年の来日時に、講道館で柔道の技の型を演武し、講道館より柔道六段の段位を贈られることになったが、こういって辞退したそうだ。
「私は柔道家ですから、六段の帯がもつ重みをよく知っています。ロシアに帰って研鑽を積み、一日も早くこの帯が締められるよう励みたいと思います。」
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