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May 27, 2009

サムスン 世界陸上スポンサー71億円の内幕

このほど、韓国のサムスン電子が、国際陸連(IAAF)のスポンサーとして契約をしたことが公表された。
その金額は2009年~2011年までの3年間で7500万ドル(約71億円)にもなる。

IAAFの開催する最も世界的に関心の高い競技会は、もちろん世界陸上だ。
現在TBSがメイン放送局であるばかりか、そのスポンサーには日本企業が顔を揃える。

TDK (日本)
TOYOTA (日本)
アディダス (ドイツ)
EPSON (日本)
SEIKO (日本)
VTB  (ロシア)
ユーロビジョン・ネットワーク (ヨーロッパ)
TBS (日本)

この中にサムスンが今回入った訳だ。
なぜだろうか?

2011年の世界陸上が韓国・大邱で開催されるからだ。
2002年のFIFA W杯で使用したスタジアムの後利用問題は、日韓の共通問題でもある。
韓国は2003年にこの大邱でユニバーシーアドを開催し、2014年には仁川でのアジア大会が決まっている。
大邱の世界陸上は、ユニバに次ぐ大型イベント開催ということになる。

ところが、韓国は陸上競技が盛んでない。
市民の関心も低く、ソウル五輪でも陸上競技はガラガラだった。
そのため、大邱の世界陸上招致は難しいと考えられていた。
が、こうした開催地決定の投票で韓国はやたら強いのだ。

2007年にケニアで行われたIAAFの執行委員会で、2011年世界陸上開催地は決められた。
立候補していたのはロシアの首都モスクワと オーストラリアのブリスベンと大邱。

大邱側は相当規模の資金提供をIAAFに提示した。
・アフリカなど財政が厳しい地域の陸上選手を育成する基金を出す
・全選手団に宿泊施設を無料で提供する
・取材陣への食事の提供及び1日100ドルの日当支給する

そしてこのとき水面下で動いていたのが、韓国の世界的大企業のIAAFへの資金協力だ。
サムスンの71億円のスポンサー費用は、大邱の招致の見返り条件であったと筆者は見る。


大会招致の見返りに、企業が競技団体のスポンサーになることは珍しいことではない。
日本も2007年の世界陸上大阪大会に合わせて、ミズノが2004年~2008年に限ってIAAFのスポンサーだった。
現在、このカテゴリーはアディダスが契約している。

大邱は人口250万、規模は大阪市と同じくらいだ。
大邱の世界陸上による経済効果は、5000億ウォン以上、約6800人以上の雇用効果を見込んでいる。
とはいうものの大会が盛り上がるかは、スーパースターの登場と、開催国の選手の活躍に懸かっているのはいうまでもない。

*IAAFのスポンサーは、世界陸上だけでなく、IAAF主催の全てのカテゴリーの競技会のスポンサーになる。

●参考記事
胸と背中に輝く企業ロゴ 世界陸上
やっぱり電通が牛耳る世界陸上

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