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June 12, 2009

まるでアメリカによる情報操作か? 米メディアはシカゴに決まったかのよう

この週末、東京、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロの招致関係者が、続々とスイス・ローザンヌ入りする。
2016年の夏季五輪招致を目指す東京など立候補4都市が、開催都市決定の投票権を持つ委員に、計画を直接説明する「テクニカルミーティング」が17、18日にローザンヌで開かれるためだ。

開催都市が決まるIOC総会は、10月2日にあるのだが、今回はその3ヶ月前にIOC委員に直接アピールできるチャンスであり、今回から始まった試みである。

IOC評価委員会が訪問した順に、シカゴ、東京、リオ、マドリードの順で、プレゼンテーションと質疑応答が行われる。
日本からは石原慎太郎知事、竹田恒和JOC会長、猪谷千春IOC副会長、小谷実可子氏ら計7人が参加するらしいが、果たしてサプライズなスピーカーは登場するか?

この様子はメディアには公開されない。
が、AROND THE RINGS(ATR)あたりは、取材していてシカゴのプレゼンが一番良かった、などと書くのではないだろうか。

アメリカはイラク戦争当時、侵攻理由を、メディアを使って情報操作したといわれている。
ブッシュ政権の考えるイラン戦争の正当性を、メディアに書かせるという方法だ。
今回の招致レースにもその傾向が見える。

先にATRが、独自に立候補都市4都市の評価を公表したが、ただのニュースサイトの独自の評価であるにも関わらず、アメリカの主要メディアは「シカゴが招致レースをリードしている」「シカゴの招致レースは最終段階」等、開催都市がシカゴに決まったかのような記事を書いている。

ATRはCNNにいたプロデューサーが1992年に始めたニュースサイトで、ソチ冬季五輪決定の際にはプーチン大統領が、ロンドン五輪決定の際にはブレア首相がATR幹部と会談したとすら言われるほどの影響力を持つ。

ATRよりも、ATRを受けてアメリカの一流紙がこぞってシカゴを持ち上げるという、その影響力のほうが心配になる。
IOC委員は、英語、フランス語のどちらかが話せることという決まりがあるのだが、実際多くの委員が堪能なのは英語だ。
2016年招致でも鍵を握るアフリカ大陸のIOC委員もほぼ英語は出来ると見ていいだろう。
このネット時代、パソコンからアメリカの一流紙の記事は絶え間なく流れてくる。
IOC委員も、当然目にしているはずだ。
彼らはシカゴ優位と刷り込まれながら、ローザンヌにやってくる。

IOC評価委の調査は4~5月だったが、ATRはその評価をローザンヌの開会前にわざとぶつけた、と言えるのではないだろうか。

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