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June 06, 2009

IOC評価委受け入れ費用は9億5000万円

6月1日、都議会の五輪招致特別委員会が開かれ、4月に行われた、IOC評価委員会の現地調査受け入れ費用が当初予定より1億3100万円多い、計9億5000万円かかったことが明らかになった。
都によると、計約8億1900万円の予算を見込んでいたが、想定より多くのホテル控室を借り上げ、警備も強化したことなどから、経費が膨らんだという。

おそらく多くの人が勘違いしていると思うが、IOC評価委員会の滞在費や来日のための旅費はIOCが全額負担している。
ホテル代も、招致委の宿泊費ではなく控え室の費用、会議室使用代や通訳の人件費といった費用が東京側の負担だ。

かつて、五輪開催に立候補した都市のIOC委員の視察の費用は、立候補した都市側が全てを負担した。
そのため、2002年ソルトレークシティー冬季五輪招致で、開催地を決める投票権を持つIOC委員に金品を提供したスキャンダルが発覚し、続けて長野を始めそれ以前の招致争いでの腐敗振りが明らかになった。

例えば長野の場合、招致が決まるまでに長野市を訪問したIOC委員は62人。(内18人は東京のIOC総会に合わせて長野を視察。)委員1人当たりに下記のような金額が使われた。
IOC委員は当然、夫人を同伴。中には複数の家族を連れてきたり、IOC委員は来日せず、家族と称する人物だけが、来日したケースもあったという。

往復航空運賃 120万円
昼食は長野市内のレストランなどで 1万円
夕食は料亭で 1万5000円~2万5000円
宿泊代に長野及び東京のホテルに 4万~5万円

空からアルペンコースが見たい、と言われれば、1時間30万円のヘリコプターも用意した。
当時のサマランチIOC会長には、舞浜―長野―松本間の団体専用臨時列車が用意されており、総招致費用に約20億円が投じたといわれている。が、招致委の会計帳簿が廃棄、焼却されており、実際にはこれ以上の金額が動いたことは間違いない。

現在の東京五輪招致委は、実はNPO法人であり、会計書類の開示義務がある。
そのため東京都の招致本部によるものも含めて、税金を使った支出については情報公開請求ができる。

これでは、今後活発化するロビー費の内訳まで明らかにされてしまうではないか、と思われるかもしれない。
こうしたロビー活動の費用は公表の義務のない企業からの協賛金を使うのだそうだ。
 

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Comments

最近は行き過ぎた招致活動を防ぐために、制限ができたので良かったと思います。
ちょうどスケートの国別対抗戦なども来日期間にあって、良いアピールになったと思います、が敵も必死。
10月どうなるのでしょう?

Posted by: onscreen | June 07, 2009 08:32 AM

今月の17日に立候補4都市のIOC委員に対する2016年夏季五輪の開催計画の説明会があります。
このときのIOC委員の反応で、これから先の行方はある程度見えると思います。

Posted by: 管理人 | June 07, 2009 11:16 PM

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